朝、駐車場に行ったら車が盗まれていた…ハイエースは狙われやすい!?
盗まれたその日のうちに車を購入
ちなみに自動車保険に加入していたため、車の費用は全損扱いで全額支払われることになりましたが、車に積んでいた仕事道具に関しての補償は上限額の10万円だけ。それでも損失額が大幅に抑えられたのは助かったといいます。
「ただし、保険金が自分の口座に振り込まれるまでには時間がかかり、1日も早く仕事を再開しなければならない自分はそこまで悠長に待っている余裕はありませんでした。依頼主の方は『状況が状況だし、そんなに急がなくていいから』とご厚意で言ってくれましたが、今後の信用に関わる問題ですし、そこに甘えるわけにはいきません。とりあえずは車が必要なので、盗難に遭った日の夕方には中古車ショップに買いに行きました」
しかし、予算的な問題に加え、対応してくれた警察官から「ハイエースは盗難被害に遭いやすい」と聞いていた根本さんは、同じワゴンタイプでも別の車を購入。一方、仕事道具は取り寄せに時間のかかる特殊な器具も多く、それと経済的な理由からすべての道具を一度に揃えるのが難しかったため、親方や先に独立していた先輩などに頭を下げ、貸してもらえないか頼んで回ったそうです。
盗難から3日後に仕事を再開
「親方には『車に積んだままとか道具の管理がなってねぇんだよ!』って怒鳴られ、先輩にも怒られましたが、みんな快く道具を貸してくれてました。完璧とはいえないまでも仕事をできるだけの状態になり、盗難から3日後には作業を再開させました。依頼主の方は最低でも1週間はかかると思っていたらしく、逆に自分のことをすごく評価していただいて、今も定期的に仕事を回してもらえるようになりました」
ところで、盗まれたハイエースはその後どうなったのか?
「まったく情報は入ってこないですね。きっとどこかの国で走ってるんじゃないでしょうか。盗んだ連中のことは許せないし、目の前にいたらぶん殴ってやりたいですけど、高い授業料だったと思って諦めています。確かに、道具の管理が甘かったのは事実ですから。そこを改める機会になったと前向きに捉えるようにしてします。なんて偉そうなことを言ってもお酒が入ってるときにこの話題になると、やっぱりグチっちゃいますけどね(笑)」
金額的にも大きな買い物だけに、車の盗難被害は絶対に防ぎたいところ。最近の自動車は防犯機能が強化されていますが、これとは別にセキュリティグッズを付けるなど自衛対策はしっかりと行うようにしましょう。
― 特集・車で得した話/損した話 ―
<TEXT/トシタカマサ イラスト/小池祐子(@ikeko322)>