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東大中退ラッパー、SNSに広がる香港デモ動画に何を思う?

コラム

“プライバシーがない社会”の二面性

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ダースレイダー:中国はテクノロジー大国になってるから、デモ隊の人は顔を隠して顔認証技術で正体が分からないようにしていたりする。これもアナログなことなんだけどすごく効果があるみたいです。

 社会設計的には日本も今後そういう方向に向かうかもしれませんよね。マイナンバーをどうするかとか顔認証システムとかどうするんだとか。日本が向かうべき社会の先に何があるのかってのを、みんなで考えるのが大事になってくると思います。

 中国的なプライバシーがない社会って言うのは、中国共産党が考える“良き社会”にフィットしていれば非常に便利だけど、香港の人たちのようにそれは違うとなれば非常に凶暴な装置に変わるっていう二面性がある。

「じゃあ、日本はどうするの?」ってのはまさに僕らがまだ選べる段階にあります。香港の人がなぜ戦っているのか? テクノロジーの増長を生み出すSNSへの対抗手段は、自分のこととして考えたほうがいいんじゃないのかと思う。

<構成/鴨居理子 撮影/山口康仁>

1977年パリで⽣まれ、幼少期をロンドンで過ごす。東京⼤学に⼊学するも、ラップ活動に傾倒し中退。2010年6⽉に脳梗塞で倒れ合併症で左⽬を失明するも、現在は司会や執筆と様々な活動を続けている。

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