“インスタきっかけ”で映画初主演「求められる人になりたい」ミスiD出身女優
蒼波純、玉城ティナらを輩出した講談社主催のアイドルオーディション「ミスiD」で、2017年に「ファンタジスタさくらだ賞」に選ばれた希代彩さん(きたいあや、22)。ほぼ演技初体験で、映画初主演を務めた青春ストーリー『JKエレジー』が公開中です。
なけなしのバイト代を、ギャンブル狂の父とニートの兄にたかられる毎日を過ごしている高校生のココアが、逆境にひるむことなく、真っ直ぐな瞳で力強く生きていく姿を見つめた本作。
米・スラムダンス映画祭で優秀演技賞を受賞するなど、評価を受けている希代さんに取材。嘘のない言葉で自分を語ってくれました。
やる気があっても…評価は「やる気ないの?」
――映画初出演、初主演ですね。いきさつは?
希代彩(以下、希代):もともとInstagramがきっかけだったんです。私のインスタを見てくれていた方が、今回の作品のスチールを担当していて、それで松上(元太)監督に紹介してくれたんです。そこから監督とお会いすることになって決まりました。
写真が好きでSNSでの活動を頑張ろうと思っていたので、そういう決まり方は自分っぽいなと思いましたし、すごく嬉しかったです。現場では、スタッフさんや共演者の方に支えてもらいました。
――松上監督から、なぜ選ばれたのかは聞きましたか?
希代:目にインパクトがあったと言われました。私が演じたココアは健気な子ですけど、そのまま健気な感じでやるよりは「社会に反抗するような目の強さがある子がやったほうがいい」と。私、生意気に見られがちなんですよね。やる気があっても「やる気ないの?」と言われることも多いですし。反抗的に見えるんですかね。実際、生意気なところもありますが(笑)。
お金がないと「精神的に終わる」と思う
――ココアちゃんの気持ちには共感できましたか?
希代:自分がココアの環境にいたら、即効グレると思います。どちらかというと、ココアよりもダメダメなお兄ちゃんやお父さんのほうに自分の性格は近いんじゃないかと思うし。ただ、限られた友達と仲良くしているココアの友達関係にはシンパシーを覚えましたし、ココアの姿勢は尊敬しています。
――自分の道を突き進むココアちゃんですが、友達や叔母さんに応援される前は、諦めている感じもありました。
希代:そうですね。その感じも分かります。お金ってないと、精神的に終わるので。勉強とかは自分が頑張ればいいことだけど、学生の段階で、お金の問題となると、途方もない感じがする。だから諦めという気持ちは、みんなもきっと分かるんじゃないですかね。私自身は、大学に行かせてもらったのに、やりたいことがあるからと言って辞めてしまったので、ココアに知られたら、半殺しにされるかもしれません(笑)。