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「億り人」も実践する“低リスク・高リターン”な投資法とは?

コラム

最大の難点は当選しづらさ。3つの秘策

 魅力が高いIPO投資ですが、最大の難点はIPO株に当選しづらいことです。この魅力を知っている投資家はこぞってIPO株に応募するため、なかなか当選しません。そんなIPO株の当選率が上昇する3つの秘策をご紹介いたします。

 1つ目は複数の証券会社からIPOを応募することです。IPOは1社でなく、複数の証券会社で取り扱っています。そのため、取扱がある証券会社全てに応募することで、当選確率が上昇します。

 2つ目は「主幹事」証券会社に応募することです。IPOの取扱数は、各証券会社で異なります。IPOを取り仕切る「主幹事」と呼ばれる証券会社が最も多くのIPOを保有しています。つまり、主幹事証券会社に応募することで、当選確率が上昇します。

 3つ目は証券口座に資金を預けておくことです。IPO株の割当ルールは、証券会社ごとに異なります。完全にランダムで抽選する会社もあれば、意図的に当選者を決定する会社もあります。後者の場合、IPO株を配分した場合、その後の取引拡大につながるかという観点が重視されています。

 事情に詳しい知人によれば、「証券口座に資金が預けられていると、資金が少ない顧客と比べ、取引拡大の可能性が高いと判断されることがあります」(証券業界出身者)とのこと。目安としては、100万円以上が口座に入金されていると、取引拡大の可能性ありと見られ、抽選確率を上昇させることができるようです。

短期間で高リターンも…2つの注意点

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 ここまでIPOのメリットをお伝えしました。最後に実際の投資に際して注意点を2つお伝えします。

 1つ目は、IPOといえど、絶対に株価が上昇すると決まっているわけではないことです。上述の通り、今年は26企業中25企業の初値が公募価格を上回っておりますが、1社は下回っています。

 勝率が極めて高いIPOでも、投資に絶対はありません。株価下落の可能性は常に視野に入れ、過剰な投資は控えてください。

 2つ目は、証券会社毎で応募ルールが異なることです。証券会社によっては、IPO当選後にキャンセルした場合、翌日から1か月間IPOに応募できないなど会社ごとのルールが存在します。そのため、IPOに応募する証券会社の利用制限は軽視せず、事前に確認するよう心掛けてください。

 このように当選確率は低いものの、IPO投資は数少ない「ローリスク・ハイリターン投資」といって過言ではなく、個人投資家の間で最良の投資方法のひとつとして広く認識されています。積立投資などの手堅い投資に加えて、ぜひ挑戦してもらえればと思います。

<TEXT/飯田隆太>

米国銘柄中心投資家 。米国系 外資企業の財務部に勤務し、2週間に1度しか出社しない「コスパの良い働き方」をしながら、捻出した時間を副業と投資に向けることで、アーリーリタイアを目指している。自身の経験を基にしたキャリア戦略、副業、投資情報を運営サイト「ビズトレ!」で公開中

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