上司にLINEを1日30通も…「ホウレンソウ」がウザすぎる部下
「報告」「連絡」「相談」の“ホウレンソウ”は、仕事を円滑に進めるための社会人にとってのいわば基本。実際にはそれができていない人も多いのですが、かといってただホウレンソウを守ればいいというわけでもないようです。
食品メーカーで営業課長を務める水田典弘さん(仮名・44歳)は、数年前に入社したK君という社員を通じてそう思うようになったそうです。
定時連絡は1日2回なのに欠かさず報告
「組織で働く人間にとっては当然のことですが、だからこそ社員研修でもホウレンソウの重要性を説明していましたし、私のところに配属された新人にも口酸っぱく言ってました。ただ、彼はほかの社員に比べて、報告や連絡の頻度がありえないほど多かったんです」
営業という仕事柄、部下は日中ほぼ社外にいるため、やりとりにはLINEを使用。ほかの社員からは多くても1日数通のところ、K君からは20~30通。しかも、その多くはわざわざ連絡するまでもない内容でした。
「営業部でも私のところは店舗担当なので、外回りだと1日10軒以上回ることも珍しくありません。それでも定時報告を義務付けているのは、昼食休憩のときとその日最後の訪問先を出た後の2回だけ。でも、彼はすべての営業先の訪問前と後に『今から○○スーパー××店の△△さんにお会いしてきます』『今、終わりました』とメッセージを送ってくる。
毎回は大変だろうからと送らなくてもいいとやんわり伝えたのですが、『間違いがあってはマズいですから』とそこは頑なに譲ろうとしない(笑)。本当はもっとガツンと言いたかったですが、別に規則違反をしているわけではなかったので」
裁量権を与えているのに、いちいち相談
とはいえ、「○○スーパーの△△店長が課長にくれぐれもよろしくとのことです」のような会社に戻ってから伝えればいいことも報告してくるため、水田さんはK君から送られてくるLINE自体がストレスに感じてしまったそうです。
「それに各営業マンには報告義務は課していますが、会社としてある程度の裁量権を与えています。店舗に弊社商品のフェア開催の提案を行ったりするのですが、彼は先方がフェアに協力的でも『対象商品はこれでいいですか?』『景品を付けたいのですが』などと聞いてくる。
どちらも裁量権の範囲内で、ほかの社員はいちいちそれを聞いてくることはありません。しかも、先方の担当者との打ち合わせ中にメッセージを送ってきたことに驚かされました。まだ配属されて数か月のときの話とはいえ、さすがに自分で判断しなさいと注意しました。でも、私の言い方が悪かったのか、彼はどうして怒られたかわからない様子でした」
その件があった後、水田さんは1週間ほど地方へ出張することになり、課長の業務は一時的に営業部長が兼務することに。K君のことは以前から話していましたが、部長は「そのくらいいいじゃないか」と笑い話にしていたといいます。