Aマッソが振り返る「焦燥感でライブに出ていた」フリー時代
魅力は「感覚にズレがない」「リアクションと顔芸」
――2人は別々の高校・大学に進学されています。ここでもお笑いの道に進もうとは思わなかった?
加納:大学では映画サークルに入ってたし、芸人になろうって意識はなかったですね。その頃に撮った映画は、めっちゃ汚くご飯食べたりするような変なのばっかり(苦笑)。完全に破綻してました、恥ずかしいです。
村上:お笑いっていうのはなかったですね。卒業後は就職しようとして、インターンシップに参加もしてたし。(ふざけた口調で)経営者になろうかなって時期もあったんですけどぉ~、お金かかるって分かって断念したこともあります~!
――大学を卒業する年に、ようやく加納さんの誘いでコンビを結成しています。今考えると、どんなところに魅力を感じていたと思いますか?
加納:物事を面白いと思う感覚にあんまりズレがないんですよ。自分がやりたいことを一番理解してくれるというか。たまに(村上には)難し過ぎて伝わらないときもありますけど、根本的には分かってくれるから信用できるところですね。
村上:いろんなところで相方を「一番面白い」って言ってるのは、リアクションとか顔芸なんです。言葉巧みなのはみんな知ってると思うんですけど、実は表情が豊かで面白い。そのあたりをちゃんと見てほしいです!(笑)
フリー時代は“焦燥感”でライブに出ていた
――フリーで活動中に大阪の松竹芸能からスカウト。ダメ出しを受け続けて上京したものの、諸事情あって退所。その後は頻繁にライブを重ねたそうですね。
加納:その頃は、事務所に所属もしてなかったし、やることがなかったので焦燥感でライブに出てました。ネタをやることしかできないから、せめて芸人仲間には認められたいって思いが強くて。そのなかで、今の事務所に所属できました。
村上:私はそんな相方をなだめてました、すぐ怒ったりもしてたんで。「だって、おかしいと思えへん!?」とか言われたら、「マジでおかしい!」とか返して。自分もそう思うようにする、というか(笑)。ただ、2人ともやりたくてはじめたから、芸人を辞めるっていう選択肢はなかったですね。
――現在の事務所に所属してから、2015年放送の『笑けずりseason1』で準優勝。このときは、どんな気持ちでしたか?
加納:めちゃめちゃ転機にはなりましたけど、そこで「売れる!」って気持ちはなかったですね。認知されたことによってライブの動員も増えたし、「ネタがやりやすくなる」「単独ライブできる」とかは思いましたけど。
村上:テレビに出られたこと自体は嬉しかったですけど、「これをずっとやっていこう」っていうのは思っていなかった。うちには発言権がないから、相方から「単独やろう」って言われて「はい」って感じ(笑)。本当になにも考えてなかったです。