石川遼、3年ぶりのツアー制覇「国内復帰」だけじゃない勝因
石川遼選手(27)は7日、国内男子ツアー「日本プロゴルフ選手権大会」を制し、2016年8月以来、3年ぶりのツアー制覇を果たした。
「日本プロゴルフ選手権大会」は、国内3大大会のひとつであり、日本最古の歴史を誇る(1926年創設)。出場資格が日本4大メジャー大会勝者や日本シニア選手権の優勝者等に与えられる、日本国内の頂点を決めるトーナメント大会だ。
しかし、ここ数年の石川遼選手については、各メディア・ファンから「不調だ」と言われることも多かった。ゴルフ界において、石川遼選手のキャリア全体から見た、現在の位置づけはどのようなのものだろうか。スポーツライターの佐藤文孝氏に話を聞いた。
人気者の代償は、極度のスランプ
「石川遼選手は、極度のスランプと言って良い状態でした。もちろん、本人の技術的な部分もありますが、若くしての爆発的人気による各メディアからの取材やTV・CM出演、また、協会内での立ち位置が変わったことによる長年の練習不足が、ここにきて一気に表れてしまった印象です」
石川遼選手は2013年から主戦場を米国ツアーに移したが、2016年シーズンには予選通過率が38%に落ち込み、2017年8月17日―20日に開催されたウィンダムチャンピオンシップを最後に離脱している。
「米国ツアーは、参加人数などの条件面で日本のメジャー大会と変わらないものもあります。しかし、コース・気候への対応や、外国人が主となる参加者の中でのパフォーマンスを考えると、日本の大会と難易度が大きく変わってきます。石川選手はこういった変化に対応できなかったのではないでしょうか」
また佐藤氏は、今回の優勝について国内復帰が勝因と評される点にもこう付け足す。
「石川遼選手は昨年の国内本格復帰直後にも米国参戦時と同様、不振が続いていました。そのため、日本への復帰が必ずしも直接の勝因となったとは言えないと思われます」