滝藤賢一×中村倫也 名脇役が語る「先が見えない下積み時代に僕らがしていたこと」
HuluとHBO Asiaが共同製作を務め、世界19カ国に同日放送される話題作『ミス・シャーロック』。シャーロック・ホームズとジョン・ワトソンが、もし現代の東京にいたら? そしてふたりとも女性だったら??
竹内結子がシャーロックを、貫地谷しほりが和都を演じる本ミステリーで、礼紋警部と柴田巡査部長の刑事コンビに扮する滝藤賢一(41)と中村倫也(31)を直撃。
現在、役者として引っ張りだこの2人が、撮影はもちろんのこと、自分たちの20代のころを振り返った。
「世界19か国放送というのにビビッと来た」(滝藤)
――『ミス・シャーロック』に出演が決まったときの気持ちを教えてください。
滝藤賢一(以下、滝藤):世界19か国放送ってところにビビっと来ました。ついに僕も世界に羽ばたく時がきたのか! とひとりでソワソワしました。普段、僕がいただけるような役じゃないので、誰かのスケジュールが合わなくて、僕に回ってきたんじゃないかと思いました(笑)。
――いえいえ、お似合いでしたよ。
滝藤:僕に近いのは礼紋みたいな人間なんですけどね。愛妻家で穏やかで。狂気をはらんでいるような役の方が作っていますから(笑)。
――中村さんは。
中村倫也(以下、中村):「シャーロック・ホームズ」は小学生のころに読んでいましたし、嬉しかったですね。2話の冒頭で、伊藤蘭さんと貫地谷さんのふたりが料理をしている場面から始まるのですが、そういうのを見ると、やっぱり女性版ならではだなと思います。
それから、全体にスリリングさ、緊張感がずっとある作品ですが、空気が重くなり過ぎないのは、女性が真ん中にいて、ちょっと中性的な雰囲気になっているからかなと思いました。
――ご自身が演じた柴田についてはいかがですか?
中村:柴田は出てくる人のなかで、一番まっとうというか、一番の常識人だと思います(笑)。
こうした推理ものの宿命ですが、警察が結構ポンコツなんですよね。そうしたなかでも、彼なりの、事件を解決するのは警察であるべきというモットーが軸にある。だけど、シャーロックや礼紋さんにいつも振り回されてしまう。そのさまが滑稽だったらいいなと思いながら演じました。
――柴田はいつも礼紋に仕事を押し付けられてますものね。
滝藤:ひどいでしょ(笑)。柴田が職人のようにきちんと仕事をしてくれるからね。おかげで礼紋は好き放題やらせてもらいました。
中村:僕らのコンビには、緩急の緩の部分を担うことが多いので、観ている人が、ちょっと肩の力を抜いて、また次からの展開に前のめりになれればと。
滝藤:それを1話から徹底してされていたのが中村さんです。僕は中村さんとセッションしている中で、あ、そうか、もっとふざけていいんだって気付かせてもらいました(笑)。