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見せかけの高年収にダマサれて転職…“タブー”でも必ず聞くべき質問

学び

退職金があなたの可能性の幅を左右する

企業

 なぜ、退職金の有無についてしつこく書くのか。それは、あなたの可能性の枠を狭めないためです。リストラなどの会社都合でなく、普通の退職は自己都合です。自己都合退職の場合は3か月の給付制限がつき、失業保険がもらえません。

 転職先が決まっていても、入社するは少し先という人もいるでしょう。ほとんどの人は、転職や退職することに全意識とエネルギーが集中してしまい、「退職から3か月は無収入になる」という事実を辞めた後に初めて知ります。なので、安くても退職金があるかどうかは重要です。

 20代で高額年収を稼ぐサラリーマンはごく少数。手持ちのお金が少ないからこそ、家賃分を賄まかなえるだけでも退職金があると助かります。無収入だと精神的に追い詰められ、あせり、間違った転職をしてしまい、後悔するケースが多いです。私もそのようなケースを何度も見てきました。

 これは日本を代表する大手商社の例ですが、55歳を過ぎて退職して、本当に自分がやりたかったビジネスを始める人が多いのです。理由は55歳で企業年金が確定するからです。死ぬまで年金が払われるので老後の心配はいらないのです。

 なので、55歳で役職定年になると退職し、退職金をもとに事業を始めたり、転職をしたりと、前向きに活躍の場を広げる選択をするのです。死ぬまで年金がもらえるという安全があるので挑戦ができるのです。退職金を忘れずに。

<TEXT/松本利明>

人事・戦略コンサルタント。外資系や日系の大手企業から中堅企業まで24年間、600社以上の人事や働き方改革に従事。『「稼げる男」と「稼げない男」の習慣』(明日香出版社)、『「ラクして速い」が一番すごい』(ダイヤモンド社)はベストセラー

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