偏差値30台、退学寸前だった僕がケンブリッジ大学で学んだこと
京都でグローバルリーダー育成を掲げる英会話スクール「ジーエルアカデミア」を営む、塚本亮さん(35)。今年4月に上梓された『ケンブリッジ式1分間段取り術』や、20万部超を記録したベストセラー『「すぐやる人」と「やれない人」の習慣』など、多数の著書も持つ実業家の一人です。
高校時代は偏差値30台と“落ちこぼれ”寸前の成績だったものの、3年生で大学受験を志し一念発起。そして、同志社大学経済学部を卒業後にイギリス・ケンブリッジ大学へと渡り、心理学を専攻して経営者の道へ歩み始めた経緯を持っています。
日本にいたままでは「今の生き方にはなっていなかった」と話す塚本さんは、どのようなキャリアを歩んできたのか。インタビューにより、お話を伺いました。
自宅謹慎中に読んだ“経営者の本”が人生の転機に
――プロフィールには「偏差値30台、退学寸前の問題児」であったと書かれていますが、高校時代はどのように過ごしていたのでしょうか?
塚本亮(以下、塚本):中学時代の先輩たちとのつながりで、ワルい仲間に囲まれて暮らしていました。通っていた高校も“荒れている”と評判で、部活も入らず、ケンカに明け暮れながらしょっちゅう先生に呼び出されるような生徒でしたね。
――そこから高校3年生で、大学受験をしようと思ったのはなぜでしょうか?
塚本:心のどこかでは「本当に今のままでいいのか」と葛藤があったんですよ。周りの仲間に流されながら、勉強もせず、今のままでは「いつか退学になる」という危機感も味わっていたし、事件を起こすたびに親が悲しんでいたのも分かっていたんですよね。それである日、停学処分を食らって自宅謹慎をしていたときに、たまたま読んだ経営者の本に心を動かされて、大学受験をしようと考えるようになりました。
――例えば、どんな本を読んだのですか?
塚本:パナソニックの創業者である松下幸之助さんであったり、とにかく世間で名の知られている経営者の方々の本を読みました。当時は「成功者=経営者」というイメージが自分の中に漠然とあって、今ほどは内容を理解できていなかったかもしれないけど、さまざまな人たちが苦労から立ち上がってきた歴史をみたら、勉強ができなかったり劣等感の塊であった自分も「変われるんじゃないか」と思いはじめたんです。
小さな“成功体験”を積み重たことで
――とはいえ、それまではほぼ勉強されていなかったというお話もあり、受験勉強はそうとう苦労されたのではないですか?
塚本:やはり、苦労はありましたね。親からも「どこでもいいから大学には行ってほしい」と言われて、担任の先生からも「お前は浪人も考えないとね」と言われていたほどだったので。実は、過去にも何度か勉強に挑戦しようとはしていたんですよ。3年生に上がる前にも、夏休みに参考書を買って勉強しようとしていたのですが、今思えば「これぐらいできたらカッコよさそう」と分不相応なモノを選んでしまい、挫折していたんです。
ただ、本気で受験を考え始めてからは、自分の立ち位置をみつめ直しました。例えば、模試で日本史を受けるために小学生向けの“マンガでわかる”的な解説書を手に取ってみたり、とにかく自分に合ったレベルから始めようと思って。いってみればプライドを捨てて、丸裸になったような経験でしたが、小さな“成功体験”を積み重ねたことで同志社大学経済学部へ合格でき、両親をはじめ周りのみんなを驚かせることができました。