ガスト、キャンペーンに「炎上商法」疑惑。退職者からは意外な声も
すかいらーくHDの労働環境は?
実際にすかいらーくHDで働いている人はどのように思っているのか。年間2000万人が訪れる企業の口コミ・給与明細サイト「キャリコネ」ユーザーの情報からは、現場の元従業員が過酷な労働環境について、こんな嘆きの声を投稿している。
「アルバイト次第で自分の働きかたが変わる。欠員、そもそも人が足りないときが多く、その分少ない人数で回さなければならない。そのため残業は逃れられず、14時間勤務が当たり前。上場してからコンプライアンスの意識を高める傾向にあるが、店舗ではほとんど反映されていない状態」(店長/20代後半男性/正社員/年収400万円/中途入社3年~10年未満/投稿時に退職済み/2017年度に関する口コミ)
すかいらーくHDは2014年に東京証券取引所市場第一部に上場している。こちらは2017年度段階での口コミであるため、現在は改善されていることを期待したい。労働環境については、正社員女性からも厳しい声が寄せられている。
「働きにくく、労働が過酷である。アルバイトのシフトがまちまちなので社員に負担がかかることもある。サービス業が好きなら楽しいし、やりがいもあるのではないかと思います。店長は、厳しい労働時間なような気がした。さまざまな分野で業種を増やしているが、すかいらーくは、他よりもまだよいほうだと思う」(カウンターセールス/20代前半女性/正社員/年収350万円/2017年度に関する口コミ)
退職した元店長職男性同様、アルバイトの状況によっては、「社員の労働負荷が大きく増えてしまう」と指摘されている。それでも、労働環境が厳しい外食産業の中では、「まだよいほう」という認識だ。
「短期的なプロジェクト」に問題視
次の派遣社員女性は労働環境だけでなく「プロジェクトへの取り組み方にも問題がある」と口コミを寄せている。
「物事の取り組みに対しては、目標達成に向けて取り組むが、達しないことが多い。あらかじめ調査や予測などをして、長期的な視点を持てばいいと思うが、短期的な取り組みが多いので、やっておしまいのプロジェクトが多いのでもったいないと感じる」(人事/20代後半女性/派遣社員/年収330万円/2016年度に関する口コミ)
立場の違う三者がそれぞれの視点から、会社が抱える問題点を寄せている。もちろんすべての人がそう思っているわけではないだろうが、十分に参考にすべき意見なのではないだろうか。
とくに最後の女性はプロジェクトの取り組み方に対して懐疑の声をあげているが、今回のキャンペーンに関しても長期的な視点が足りなかった可能性がある。計画的な炎上の疑惑が持ち上がったガストだが、社員の一部は以前からも不満や疑問を抱えていたのかもしれない。一刻も早く信頼回復となることを祈りたい。
<TEXT/菅谷圭祐 データ/キャリコネ(運営:グローバルウェイ)>