200万円を海外のカジノで大勝ちしたら、確定申告は必要?
確定申告をしないとどんなリスクがある?
実際のところガジノでの勝ち分を申告しない人も多くいると思います。仮にカジノで大勝ちしても出入国時の現金が100万円を超えるなら、税関に申請義務がありますが、この時点で勝ち分を納税することはありません。また、税関と国税局の間で、カジノでの所得が共有されているかというと微妙なところです。
このため現状、カジノでの勝ち分は自己申告であり、何もしなければ税務署に認知される可能性はかなり低いです。しかし、万が一、税務調査の対象となった時に説明を求められる場合もあります。その際、無申告加算税や延滞税などが税金に上乗せされるため、当初よりも多くの税金を収めなければなりません。
また、過去7年前までさかのぼって請求をされる可能性があるため、定期的にカジノに行く人は、潔く申告することをおすすめします。
年収800万円の税額の計算式例
仮に給与年収800万円・支払う社会保険料が108万円だったと仮定して、カジノで200万円もバカ勝ちして、利益を出してしまった場合の所得税を計算してみましょう。
まずは給与年収が800万円のうち、課税対象となる所得を求めます。年収800万円の人の給与所得控除は「収入金額×10%+120万円」で求められるため、「800万円×10%+120万円=200万円」で、200万円。よって、所得は600万円です。
続いて、カジノ収入のうち、課税対象となる所得はいくらでしょうか? 先ほど説明した総合課税制度の計算式に則り、特別控除額の50万円を引いた一時所得に、2分の1をかけた金額、つまり「(200万円-50万円)× 1/2=75万円」となります。
【所得:600万円(給与)+75万円(カジノの一時所得)=675万円】
【課税所得:675万円-108万円(社会保険料)-38万円(基礎控除)=529万円】
【税額:529万円×20%-42万7500円(控除額)=約63万円】
つまり、この約63万円が、カジノで200万円収入があった場合の所得税です。ちなみに、年収800万円だけの場合の所得税は48万5000円なので、金額差は14万円です(※税率と控除額は所得に応じて変わります)。
このくらいなら、延滞税などのリスクや精神衛生を考えると、やはり潔く申告してしまったほうがよいでしょう。
<TEXT/水村耕史(@KoujiMizumura)>