SHIBUYA109リニューアルの仕掛け人が語る、苦難を乗り越えた“精神力”
本当に社会人にとって大事なスキルとは?
――自由にやってきた人からすると、会社っていうルールが邪魔に感じることもあるのかと思いました。
五十嵐:まあ、それもあります。でも、一人でやってきている時は周りに認めてもらうのも大変だった。でも今は、仲間が自分を認めてくれます。
スタイリスト時代、先輩に価値観を押し付けられて反発することもありましたが、会社員になってみて、怒るほうにも私のことを思う気持ちがあるんだって気づけたんです。だから、もし窮屈なことがあったとしても、私は怒らないでしっかりと自分の気持ちを説明します。これって本当に社会人には大事なスキルだと思います。
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いじめの経験など、価値観を押し付けられた経験もあるのに、五十嵐さんは「自分は絶対にそんなことはしない」と強調します。また、ゆくゆくは「同じようなセクシャリティを持っている人のところまで、クリエイションを届けたい」とも言います。
苦難にぶつかっても方向転換で乗り越える柔軟性、火事ですべてを失っても前を向く精神力、そんな五十嵐さんが今後も活躍していくであろうその姿から目が離せません。
<取材・文/ミクニシオリ 撮影/市村円香>