平成の象徴「SHIBUYA109」が大型改装。アートディレクターを直撃
SHIBUYA109を再び流行の最前線へ
――五十嵐さん自身、どのように最新のカワイイを取り入れているんですか?
五十嵐:私自身がクォーターなので、海外の文化にはけっこう注目しています。あまり日本らしい環境で育っていないので、幼い頃から日本と海外の文化、どちらも取り入れてきています。
今の日本文化に足りないと感じたものを、海外からの視点でプラスしてクリエイションしています。海外の文化を日本的な視点に落とし込んでいるという感じですね。トレンドを知るためには、足元ではなく広い視野で見ることが大事かと思っています。
キース・ヘリングやバスキアの影響を受けた
――なるほど。特に海外のものでチェックしているものはありますか?
五十嵐:私の生まれは横浜なのですが、外国の情報は、もともとデザイナーだった母の知識が源泉になっているものも多いです。歴史を紐解くことで見えてくるものもあると思っているので、ホントの根っこは美術書ですね。
あとは、自分自身ポップアートが好きなので、ストリートアートは自分の足を使って見に行っていました。キース・ヘリングとか、(ジャン=ミシェル・)バスキアとか。やっぱり色使いやフォントに、その時のトレンドや国の文化がちゃんと反映されてるんです。そこに気がつけるのも、歴史を知っているからこそという部分がありますね。
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2019年4月28日、開業40周年と共に今までの赤文字のロゴが撤去され、新ロゴにリニューアルされる、SHIBUYA109。平成の象徴となったギャルを牽引したロゴも丸みを帯びたものに一新されます。これからも日本の最新文化を発信していく場になるのを期待しましょう。
⇒次回、<SHIBUYA109リニューアルの仕掛け人が語る、苦難を乗り越えた“精神力”>に続く。
<取材・文/ミクニシオリ 撮影/市村円香>
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