若手の構成作家はいまどこに？

もてスリム

もて：さっき会議の話題がありましたが、テレビの仕事って規模も大きいしベテランのスタッフも多いから若手がサバイブしていくのは大変そうな印象があります。いまってどんな状況なんですか？

白武：YouTubeやAbemaTVなどいろいろなプラットフォームが出てきたおかげで、実は仕事が山ほどあるんですよ。だから昔に比べると若い構成作家でもちゃんと食えるようになってきてると思います。

もて：数が多いぶんギャラが低かったりしないんですか？

白武：若手レベルだと実はあんまり変わらないんです。なんだったらテレビより収録から放送（配信）までの時間が短いから、ある意味「コスパ」がいいというか。だからメジャーな仕事から離れる作家も少なくありません。

もて：テレビには若手が集まらなくなってる、と。

白武：テレビは生態系がすでに完成していて。ベテランや大御所のスタッフがたくさんいて飽和状態になっている。若手芸人がテレビに出ていきづらいのと同じ構造だと思いますね。

もて：でも、もともと構成作家の人ってテレビを目指して仕事を始めてるんじゃないんですか？

白武：ぼくの周りだと『めちゃめちゃイケてるッ！』とか『ゴッドタン』のようにお笑い純度の高いバラエティ番組をつくりたいと思って始めた人が多いですね。

　あとはダウンタウンさんと高須光聖さん、バナナマンさんとオークラさんみたいに、芸人さんと一緒にシーンをつくっていきたいと思っている人も多いと思います。

「お笑い第七世代」への反響があった

もて：白武さんはAマッソさんとか霜降り明星さんと一緒に配信番組をつくっていると思うんですが、そういうときはどういうふうにつくられているんですか？

白武：Aマッソとは加納さんと喫茶店でうんうんうなりながら話して内容を決めます。企画も考えられる芸人さんは多くないので珍しい形ですね。

　霜降り明星は、内容をスタッフと考えてあまり説明せずにカメラを回し始めることが多いですね。どんな球を投げても想像している以上に跳ね返してくれます。2組とも全然違います。

もて：霜降り明星のふたりとは新しく番組も始められるんですよね？ 以前話していた「お笑い第七世代」を実践してる感じがすごいですね。

白武：4月から「霜降り明星のあてみなげ」という番組が静岡朝日テレビでスタートすることになりました。聞いている感じ、静岡以外でも見れるようになっていくのではないかと思います。

　霜降り明星はお笑いの歴史に残る賞レースの戦績とその他バラエティ番組での活躍が評価されて、地上波進出が可能になりました。お笑い第七世代が活躍する番組として名前があがるように頑張りたいですね。

　あと、前回この連載で話したことも手伝ってか、お笑い第七世代のウィキペディアができたり、バラエティ番組でお笑い第七世代というテロップが出たりしました。反響もめちゃくちゃあったのでありがたかったです。