丸ノ内線「赤い電車」の斬新なデザイン、3つのポイント
赤と黒を基調としたシックなインテリア
インテリアは赤と黒を基調としたシックなデザインで、随所に丸が採り入れられている。
吊り手は銀座線用1000系特別仕様車と同じ、リコ式をアレンジした形状と円形で、一般席は黒、優先席はオレンジに分けている。
天井も丸みを帯びており、形状の一部は丸を強調している。いたるところに設置されたステレオスピーカーも丸く、インテリアに調和している。
「充電用コンセント」「無料Wi-Fi」も搭載
2000系最大の特徴は、1~5号車の池袋寄り、6号車の荻窪寄りに設置されたフリースペースだろう。いずれも戸袋部分に設置された。東京メトロに確認したところ「フリースペースは左右両側」という。
画像右側は車椅子やベビーカー用(通報装置やクッションパネルも設置)、左側は“くらし用”と称すればいいのか、携帯電話の充電用コンセント2口、手荷物用のフック2口(5キロまで可)が設置され、役割が異なる。しかしながら、フリースペースを片側に集約したほうがわかりやすく、また混雑時の動線確保に有利ではないだろうか。
こちらは「フリースペースの範囲を追加したことで、新たなサービス設備(携帯電話の充電用コンセントなど)を導入することになり、車椅子&ベビーカースペースの向かい側に設けた」(東京メトロ)という。また、混雑時の動線に関しては、今後の営業線の動向を見ながら改善を図りたいと考えているという。
そして、車内には訪日旅行者向けの無料Wi-Fiが導入された。このサービスは、2016年から銀座線1000系から始まっており、2020年夏までには、東京メトロ全路線の保有車両において完了の予定だ。
丸ノ内線池袋から2000系に試乗した感想
2019年2月23日、丸ノ内線池袋から2000系に試乗する。ホームでは、鉄道に興味のなさそうに見える方も、スマホでシャッターを切りまくるほど、赤いボディーがまぶしく映るようだ。
乗車すると、男子学生がフリースペースのコンセントでスマホを充電し、楽しんでいる様子。運賃のみで携帯電話が充電できるのは、画期的なことだ。あってはならない非常事態が発生した際は、かなり重宝しそうだが、“車内で通話していいのか?”という疑問が浮かぶ。
車内の広告はすべて、ドラえもんを起用した「すすメトロ!」。それを撮る乗客もおり、にぎやかな雰囲気だ。
男子学生がスマホの充電を終えて、列車を降りると、コンセントは誰も使わない。思ったほど、コンセントの存在を知らない乗客が多いようだ。また、“硬いクッションパネル”にもなるせいか、もたれる乗客もおり、コンセントをふさいでしまう。一方、フックを使った乗客は、ひとりもいなかった。