激安時給に学歴イビリ…大手電機メーカーのインターン、驚きの内情
身を粉にしても、就職につながらない…
一番ツラかったことを、北野さんは「毎週必ず顔を合わせる、担当の上司からの扱いだった」と言います。
「もちろん上司は私より断然高学歴でした。私はそんなに偏差値の高い大学ではなかったので、毎週のように『よくそれでうちのインターン来ようと思ったね』『○○大は憶えが悪いなあ』などと言われ、とても苦しい思いをしました。」
このように、上司にいびられながらも、悪環境の中なんとか働き続けてきた北野さんでしたが、上司のある言葉で、転機が訪れました。
「いつもの調子で上司が私に毒を吐いていたんですが、私が働き始めてから1か月半ほど経ったある日言ったんですよ。『こんなインターンしたって、君が将来、ここに勤められるわけじゃないのにね』って」
その後、彼は自分の学生生活と天秤にかけて、すぐにその職場のインターンシップを辞めたそうです。自分の悪い噂が回るのは不安だったそうですが、あの頃を振り返ってこう語ります。
インターンで学んだ「有名企業の内情」
「インターンをやめてからしばらくは、解放感というよりは企業間で自分の悪い噂が流れないかともやもや考えたり、本当に辞めてしまってよかったのか、などと後悔したりもしましたが、それでも今となっては本当に辞めて正解だったと思います」
北野さんはその後、別のインターンシップを経て就職活動に成功したそうです。
「まあ、私にとってこのインターンは、就職活動は必ずしも有名企業に勤められれば勝ちというわけではないんだということを教えてくれましたね。今勤めている企業も、超ホワイトというわけではないですが、少なくとも上司に学歴で嫌味を言われることはないですね。今はあの頃よりも数倍幸せです」
インターンシップは内定を得ることにつながる大きなチャンスでもありますが、今回のように、企業のブラックな内情に触れて、夢を壊されてしまう場合もあります。
備えあれば憂いなしとは言いますが、就職活動の備えの段階であるインターンで心を壊してしまっては元も子もありません。企業選びにも注意が必要です。
<取材・文/吉野咲来 イラスト/Yopsymi(@Yopsymi)>