日通、非正規社員も同一賃金へ。一方、正社員は年収面で不満も…
日通の平均年収は他の物流大手に比べ…
日本通運は同業種6社の資産、そして政府などの出資を得て1937年に創業。鉄道輸送の業者を取りまとめる国策会社としてスタートした。
現況の民間会社となったのは敗戦後のことで、1950年の通運事業法の施行を契機としている。過去には、1964年の東京オリンピックでミロのビーナス、1974年に日本に唯一モナ・リザが貸し出された際の輸送なども請け負っている。
東京都港区に本社を置き、物流全般を手がけ、その他販売業や自動車学校、人材派遣事業なども行っている。
国内外に事業所を持ち、国内では北海道、東北、関東甲信越、中部、関西、中国・四国、九州の7つのブロックに大きくわけられ、ブロック内の各所に多くの支店を持つ。また海外では、米州地域、欧州地域、東アジア地域などに計121社を構えている。
海外会社創立70年にあたる2007年に企業理念を制定し、その中では「社会発展の原動力であること」を使命としているため、今回「同一労働同一賃金」にいち早く乗り出したことは理にかなっていると言えるのではないだろうか。
また、現在の単独従業員数は3万2616人で、平均年収は606万円。平均年齢は43歳(Yahoo!ファイナンスによる)。
「日本経済新聞」の倉庫・物流企業の売り上げランキング(2018年3月期)を見ると日本通運は2位となっている。1位は日本郵政で、日通に次ぐ3位はヤマトホールディングスである。
このランキングの上位3企業の平均年収と比べてみると、日本郵政が760万円(平均年齢43.5歳)、ヤマトホールディングスが939万円(平均年齢38.2歳)であることから、やや少ない印象を受ける。
労働環境の改善が進む
同一労働同一賃金に乗り出した日通だが、年間2000万人が訪れる企業の口コミ・給与明細サイト「キャリコネ」ユーザーの情報をによると、数年前の段階では労働環境に厳しい面もあったようだ。
「残業時間が異常に多く、体力がもたなかった。また良い意味で体育会系、スポーツが好きな人は向いていると思う。現場と内勤では給料にあまり差はないが内勤で辛抱して長く働いていればそれなりに稼げます。部署によってかなり差があるのでこればかりは入社時の運としか言いようがない?」(営業/20代前半男性/正社員/300万円/2011年度)
次に、営業職社員の数年後の口コミをみてみよう。