実は間違っていたニオイ対策

　ケアしているつもりが逆効果！ そんな残念なニオイ対策はどういったものなのでしょうか。

「脇などの気になる部分にピンポイントで使用するのは有効ですが、身体中に制汗剤を塗ったりかけたりするのは、実は逆効果。汗の分泌を極端に抑える生活を続けていると、有機物質が増えてしまい、かえってニオイの原因となってしまいます」

　また、近年流行している糖質ダイエットにも注意が必要だとか。

「これもやり方を間違えるとニオイの原因になります。自己流の糖質制限で、肉だけをひたすら食べていたりすると、食物繊維の不足によって腸内でタンパク質が腐敗して悪臭の原因になります。これらのニオイ成分は肝臓で無臭化されるものですが、お酒の飲み過ぎなどで肝臓が疲れていると処理が追いつかなくなる可能性も」

　その場合、血液を通じて、口臭や体臭の原因になる可能性があるそうです。桐村先生は「便とオナラからひどい悪臭がしたら、体もニオっていると疑ったほうがいいでしょう」と。

　体臭予防には一発でニオイを解消させようとするよりも、日々の生活習慣の中で意識をしていくことが一番効果的。定期的に汗をかくことと、野菜をしっかりとったバランスの良い食生活、そしてストレスを溜めすぎないこと、こういった点に気をつけていきたいですね。

【桐村里紗】
内科医・認定産業医/「tenrai株式会社」代表取締役医師。「働き服向上委員会」（花王 リセッシュ）賛同メンバー。予防医療を「ライフスタイルデザイン」と再定義し、生活者の行動変容を促すコンテンツ開発を行う。著書に『日本人はなぜ臭いと言われるのか』（光文社）など