Amazonの「採用面接で聞かれた20の質問」を分析したらスゴかった
今やネットユーザーにとっては水や空気のように当たり前の生活インフラになっているAmazon。グループでの売上はこの10年で10倍以上にも達している。
もともと倉庫のオペレーションなどを除けば人手がかからないのがインターネットの事業特性であるとはいえ、その生産性の高さが躍進を支えているのは間違いないはずである。
そんななか、「Amazonの採用面接は秀逸だ」という噂を聞きつけ、元採用担当者、実際に面接を受けたという人に取材した。
生産性最重の組織が重視する人材評価軸
若手ビジネスマンにとっては未知のことだが、「面接はとても難しい」とは採用担当者の誰しもが思っていること。そもそも他人と企業との適性の良し悪しなど、30分や1時間の面接で見抜くことなんて失敗するのが当たり前なのだ。
そんななか、Amazonの面接経験者を調べていくと、はっきりとわかったきたことがある。
それは、成果を出してきたのかといった点よりも、シンプルでありながらも、働くうえでの姿勢を炙り出し、それを含めた潜在能力を評価しようという姿勢で一貫しているということだ。
大きなくくりで言えば、面接では下記の3つの点を掘り下げていた。実際にどんなことを聞かれるのかという質問例とともに次に記したい。
1.困難な局面への向き合い方と経験から学ぶ力
・納得のいかない評価を上司からされたときにどうするか?
・仕事で苦労したこと、 失敗して乗り切った経験について
・重大な問題を見つけ出したときのことについて。特に、なぜ問題があるとわかったのか?
・複雑な問題に直面した時のことついて。特に、適切な解決策または打開策をどのようにして見つけたか
・仕事でリスクを伴う意思決定がこれまでにあったか?
・上司が扱うべきと思われる問題を自ら対応したときについて
・現在のポジションで、どのような決断が求められるか。重要な決断の例を挙げてどうか?
2.論理的に考える力、自分を客観視する姿勢
・複数の問題を関連づけて、根本にある共通の問題を見つけ出したときのことについて
・自分の強みは何か? それによって、何かを変えた具体的な例は?
・今までに上司などに指摘されたことと反省点
・今までの成功事例のなかから何かひとつを、数値を用いて説明せよ
・KPIを設定して動いたことはあるか? どんなKPIで、その結果は?
・もっとも頻繁に確認・分析する数値は何か、頻度はどれくらいか?
3.チームワークの取り方、他人との接し方
・チームで仕事をしていて、うまくいかなかったケースについて、どう対応したか?
・上司や同僚とプロジェクトを進める上で意見が異なった場合の対処方法は?
・言うことを聞かない相手への接し方は?
・異なる部門とのコミュニケーションで大切にしていること
・自分のチーム内に存在する問題を理解しようとして、いくつものレイヤーを掘り下げなければならなかったときのことについて、誰と話したか? あるいはどのような情報がもっとも役に立ったか
・行動を執る前に、上司に相談すべきと感じたときについて。目的達成のために、慣習や方針に反する必要がこれまでにあったのか? どのようにその必要性を判断したか? その行動によってどのような影響があったのか?
ただし、「話している内容そのものだけでなく、思ったことを正確に伝えるための論理性、説明する力も評価の一部となっている」と話している面接経験者もいた。
なお、全ての質問においては「なるべく具体的に、もしくは数字を使って答えてください」という前フリが入れられる。