親会社の若手社員にアルハラした上司…“ウーロンハイ強制”の悪夢
出張で訪れた親会社の社員もお酒が苦手
「私より少し年上の親会社の社員Yさんが出張で来たので、私や主任、同僚2人と夕食を兼ねて飲みに行くことになったんです。でも、この席でも主任は座るなり、いつもの調子で『コイツはいい年して酒が全然飲めないんですよ。前も少し飲ませただけなのにすぐ気持ち悪くなっちゃって。これじゃ社会人としてダメですよね』と社員さんに言ったんです」
このとき、それまでニコニコしていたYさんの表情が曇ったのを渡辺さんは見逃しませんでした。
注文を取りにきた店員に主任は「生5つね」とビールを頼みますが、Yさんはすかさず「ウーロン茶2つと生3つでお願いします」と訂正。そして、主任に対して「私もアルコールが苦手だから“社会人としてダメなヤツ”ですか? いろいろと至らなくてすみませんね」と言い放ちます。
「主任も自分より若いとはいえ、さすがに親会社の人間には何もいえず、『そ、そういうわけでは……』と弁明していましたが、しばらくして再びその話になったんです。で、お酒を飲んで気が大きくなったのか、軽くキレ気味に『でも、やっぱりお酒くらい飲めたほうがいいじゃないですか!』と反論したんです」
アルハラ上司に向けた強烈な一言とは
ですが、それ以上に怒っていたのはYさんでした。「いまだにアルハラをしてくる上司っているんですね。非常に不愉快ですし、今回の件は会社に報告させていただきます」と言い、途中で帰ってしまいます。
結局、この日はそれでお開きになったそうですが数日後、本社からの電話に出た主任は、「すみません……」としきりに何度も謝っていたといいます。
「Yさんの件で親会社からクレームが入ったらしく、それで叱責を受けていたみたいです。処分などはなかったですが、これ以降アルハラはしなくなったのでYさんには感謝してもしきれません」
しかし、ここまでしないと改めようとしないのも問題。アルハラは思っている以上に根は深いのかもしれません。
― 特集・[飲みハラ]実況中継 Vol.6 ―
<TEXT/トシタカマサ イラスト/デザイア恵利>