モンスターペアレントに泣く塾の講師。カンニングした生徒の親が強烈クレーム
学校や塾の先生を悩ますモンスターペアレント。その実態はテレビなどでも散々報じられていていますよね。
「親がモンスターペアレントの場合、対処の方法がありませんよ」と嘆くのは、塾講師の上野恒憲さん(仮名・33歳)です。数学と英語を担当する塾講師5年目に突入しました。
これまでバイトをしながら教員を目指していましたが、教員採用試験になかなか受からず。30歳前に将来のことを憂いていた先輩の紹介で今の塾を紹介されたそうです。
トータル10日間に及ぶ無償の補講で疲弊
「授業のための予習は苦になりません。真面目な生徒も可愛いし、教えることに対して、やりがいも感じています。でも問題は、親なんですよ」
ある時、授業に参加しなかった生徒の親が、無料の補講を要求してきたそうです。40代の母親で、近くの中学校の教員だったため、上野さんは委縮してしまいました。
「補講しないと子供に塾を辞めさせる、と。他の塾の生徒数の争奪戦が厳しい地域のため、生徒数の目標を達成しないと減給されるので仕方なく無償で補講しました」
トータル10日間に及ぶ無償の補講で、疲れ果てた上野さん。ところがそれを聞きつけた他の親からも、無償補講の要請があったそうです。
「しかも数人に及んだので、塾長と相談して、数人いっぺんにやりました。もし欠席しても、またの補講はないからと親に承諾を取りましたが、一人の生徒がまた休んでしまって……結局、また個人授業ですよ」
生徒のカンニングを注意したら親が出てきて…
無料補講を強制させられた上野さんは、これが毎年行われるのかと想像するとぞっとしたそうです。ところが、もっと酷いモンスターペアレントが乗り込んできます。
「模試でカンニングした生徒を諭したところ、親がクレームを入れてきたんです。ある上場会社の営業課長で、典型的な『自分の子に限って』タイプ。自分の子供がカンニングするという行為すら認めないヤバい親でした」
「カンニングをやったというなら、証拠映像を見せてほしい」と詰め寄る親。ひょろっと痩せている生徒と正反対の巨漢で、元大学ラグビー部の選手だとか。
「『いつもより成績が良いのは、本人の努力かもしれないでしょう』と自分の子供をかばって、しまいには『決めつけるのは良くない。教育者としてあるまじき行為だ!』と叱ってくるんです」