怪しいイベサーに憧れる大学生の心理「綺麗なコが見たことない服で…」
今年11月、日本大学のイベントサークル幹部の2人が同じグループに所属していた仲間を恐喝、暴行し逮捕された。
事件の残虐性はもちろんの事、被害者加害者共に大学生という特殊な事案の為事件は大々的に報道される事となったが、実は今回のようなイベサー絡みの「内輪もめ」は各地で起こっているという。
現役の大学生たちは、何故勉強や部活ではなく「イベサー」に惹かれるのか。今回は実際にイベントサークルに惹かれ勧誘を受けたり、在籍をしたことのある現役大学生達に話を伺い、イベントサークルの実態について取材を行った。
新歓パーティーで仲良くなった先輩から勧誘
そもそもイベントサークルとは、基本的に人を集めてイベントを仕切る団体のこと。それなりの規模になると、ハロウィーンにパーティや、月イチでクラブのハコを借りてイベントをすることもある。
現在大学生の根岸巧さん(21才・仮名)は、大学入学時にイベントサークルに勧誘されたという。地方から出て来た根岸さんにとって、華やかな箱で行われるイベサー主催のパーティーは魅力的に映った。
「僕が大学1年生の頃に、大学の新歓パーティーが都内の大きなバーで行われたんです。学校で声を掛けられた先輩に誘われて参加してみたのですが、実はそのパーティーがイベントサークル主催のものだったみたいで。当時はすごいなーと思いましたね。綺麗なコが見たことない服で歩き回っていて、やっぱり都会は違うなと感じました」
そのうち、声をかけられた先輩から「お前もうちに入れよ」と。
「あーやっぱりかと思いました」
根岸さんは、その場では入会を承諾したが、後日受けたノルマの説明に不信感を抱き、急遽、入会を取りやめた。
「イベントが終わり別日で先輩からサークルの詳細について話を聞いたのですが、そのイベサーでは会員全員にイベントごとのノルマが課せられるらしく、達成できなければ自腹で未達分を清算しなければならないシステムでした。イベント自体は年に数回程度で、『人も大勢来るので全く気にしなくていい』と言われたのですが怖かったので入会は断りました」
今回の日大の件を見ても「あーやっぱりかと思いました」と語る。実家から大学に通ってる子よりも、地方から出て来て友達がいないような子を熱心に加入しているのだ。
右も左もわからない新入生を手あたり次第に勧誘しているイベントサークル。根岸さんが違和感を覚えたのも不思議ではない。