沖縄県民が誇るアイス「ブルーシール」。地元に軸足を置いたスタンスを崩さない独自のマーケティングとは?
ショップのスクープアイスをはじめ、コンビニやスーパーなど、世の中には多種多様なアイス商品が売られている。
赤城乳業、明治、江崎グリコなどの国産ブランド、ハーゲンダッツやサーティワンといった海外発のブランドまで、さまざまなメーカーがアイスクリーム市場において熾烈な競争を繰り広げている状況だ。
こうしたなか、アメリカ生まれ、沖縄育ちのアイスブランドとして知られる「ブルーシール」は、他のアイスとは一線を画す独自のポジショニングを築き上げてきた。
うちなーんちゅ(沖縄生まれの人)に70年以上親しまれ、沖縄県内では圧倒的なブランド力を持つブルーシール。
沖縄県民が愛してやまない理由や、ブルーシール独自の強みについて、フォーモストブルーシール株式会社 代表取締役社長の山本 隆二氏に話を聞いた。
沖縄観光の魅力が高まっていくのに合わせてブランドも成長
ブルーシールは今年で創業75周年を迎えるロングセラーブランドである。
アメリカで優れた酪農製品に贈られる「ブルーリボン賞」にちなんで、“味も品質も最高を
目指そう”という思いから「ブルーシール」と名付けられ、沖縄のアイスとして愛されてきた。
特に、沖縄県民にとっては欠かせない存在で、「わったーアイス」(我々のアイス)としての愛着もひとしおだ。
沖縄県におけるブルーシールの認知度は96%を超え、一度でもブルーシールのアイスを喫食した経験を持つ割合は80%以上と、まさに“沖縄育ち、沖縄県民による、沖縄のためのアイス”と言えるほどのブランドパワーを誇っている。
沖縄のアイスであり続け、沖縄を代表するブランドとして成長できた所以を山本氏に聞くと「特に大それたマーケティングはやっておらず、『沖縄県内で圧倒的である』ことを常に念頭に置いていた」と話す。
「ブルーシールがここまで成長してきたのは、沖縄観光の魅力が時代とともに発掘され、国内外の多くの人々が旅行先(ディスティネーション)として選ぶようになったのも大きな要因になっています。2019年には年間観光客数が1,000万人を超えたのに合わせて、ブルーシールの売り上げも過去最大になったんですよ。
ただ前提として、沖縄県民の知名度がなければ、これほどの反響は起こらないわけで。そういう意味では、古くから沖縄県民に知られ、いわば地に足をつけて展開してきたブランドだからこその強みがあると思っています」