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ライフ、マルエツ…「食品スーパー」3社が苦戦する背景。物価高よりも“頭が痛い”のは

ビジネス

 ここ最近、馴染みのある商品が相次いで値上げされています。物価高は消費者にとって痛い問題ですよね。一方、2022年度におけるスーパー各社の業績を見ていくと、仕入れ値の上昇よりも水道光熱費の上昇に苦しめられているようです

値上げ

画像はイメージです(以下同じ)

 コロナ禍の内食需要で2020年度の業績は一旦伸びましたが、今期は減益となっているなか、今後はどうなっていくのでしょうか。今回はスーパー事業を主事業とする地方スーパー業界3社に注目し、業績推移と今後について考えてみます

ライフ:首都圏と近畿圏で展開

 株式会社ライフコーポレーションはスーパー「ライフ(LIFE)」を展開する企業です。セグメントは小売事業とクレジットカード関連を手掛けるその他事業に分類されていますが、売上高のほとんどをライフの小売事業が占めます。

 2022年10月末段階でライフは295店舗展開されており、うち首都圏が131店舗、近畿が164店舗となっています。2020/2期から2022/2期までの業績は次の通りです。

【株式会社ライフコーポレーション(2020/2期~2022/2期)】
売上高:7147億円→7591億円→7683億円
営業利益:139億円→274億円→229億円
最終利益:78.3億円→178.2億円→152.1億円
店舗数:275店→280店→285店

コロナ禍で増収増益

ライフ

スーパー「ライフ(LIFE)」©J_News_photo

 2020/2期は増収増益となりました。同社は決算資料で、少子高齢化によるスーパー市場の縮小や競合過多などを懸念点としてあげていましたが、店舗数の増加や既存店の改装が増収要因となったようです。利益面では人件費・光熱費のコストアップや不採算店の減損損失といったマイナス要因を抱えましたが、粗利率の改善がこれを上回り、増益となりました

 コロナの感染拡大が始まった翌2021/2期は外食産業が苦しんだ一方、内食需要・巣ごもり需要に支えられたスーパー業界は活況を呈しました。同社も恩恵をうけ、大幅な増収増益を記録しています。従業員向けに感謝金の支給も実施しました。

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