我が家・坪倉由幸が語る、40代半ばで危機感「発信しないと、この世界から消えちゃう」
人気お笑いトリオ「我が家」のメンバー坪倉由幸さん(45)。俳優としての評価も高く、大河ドラマ『鎌倉殿の13人』やドラマ『石子と羽男―そんなコトで訴えます?―』での演技も好評だったばかりです。
現在は出演映画『アイ・アム まきもと』が公開中。阿部サダヲさん演じる、市役所勤めの牧本を主人公にした人間ドラマで、坪倉さんは、牧本が全力を傾けてきた人知れず亡くなった人を埋葬する「おみおくり係」を廃止する上司を演じています。
役者業への評価が著しい坪倉さんですが、現在の胸のうちを聞くと、「正念場だなと思ってます」と意外な言葉が返ってきました。
主人公の牧本に共感するも
――坪倉さんが演じた小野口は、牧本が唯一感情を露わにする役柄でした。最初に脚本を読まれたときは?
坪倉由幸(以下、坪倉):感動して泣いちゃったんです。いいお話だなって。脚本の倉持裕さんは、数年前に舞台でお世話になったのと、NHKの『LIFE!~人生に捧げるコント~』というコント番組でも作家で入っていらっしゃるんですが、やはり面白いなと。
原作になった映画(『おみおくりの作法』ウベルト・パゾリーニ監督)以上に笑いがあって、それがわざとらしくなく入ってる。すごくハートフルで笑顔になるけど、同時に悲しいところもある。僕個人、坪倉由幸としては主人公の牧本の気持ちがすごくわかるんだけど、僕の役としてはそうは思わないようにしないと、と考えていました。
小野口は彼のことを理解できない
――では難しい役でしたね。
坪倉:そうですね。牧本はすごくピュアだし間違ってもいないと思うんですが、ただやりすぎてしまったり、察するってことができなかったりする。素直でまっすぐ過ぎるところがあって。そういう人って理解されなかったりもするし、僕が演じた小野口なんてまさに、彼を理解できない典型的な人。
僕個人は牧本派なんですが、水田(伸生)監督からは「小野口も彼の仕事を仕事としてやっているのだから、小野口の人格を否定したような表現にならないように」と言われました。憎まれ役ですけど、仕事を円滑に回すためにもあえてキツイことを言わなきゃいけない立場なんですよね。