“魔法少女”が職業になった世界。お仕事内容は「怪異現象を退治すること」
集英社のマンガアプリ「少年ジャンプ+」で毎週水曜日更新で好評連載中の『株式会社マジルミエ』(原作:岩田雪花 作画:青木裕)は、“魔法少女”を派遣するベンチャー企業を舞台にした作品だ。
過去の名作へのリスペクトに満ちた“魔法少女要素”に加えて、リアリティ溢れるビジネス描写にも読者の共感が集まっている。今回は原作者である岩田雪花さんに誕生秘話を聞いた。また、インタビューと共に、『株式会社マジルミエ』の第1話の前半部分を紹介する。ぜひ最後まで目を通していただきたい(後半は近日公開)。
【マンガ】⇒『株式会社マジルミエ』の第1話の前半を読む
「魔法少女とビジネス」の組み合わせは強い
――『株式会社マジルミエ』はどのようなかたちで連載の運びとなったのでしょうか?
岩田雪花(以下、岩田):魔法少女というファンタジー要素と、ビジネスというどこまでも現実的な要素がちょうど反発していて面白そうだなと考えました。他にもいくつか企画はあったのですが、「魔法少女とビジネス」の組み合わせはやはり強く、そのまま企画としてスタートしました。27作品くらい魔法少女コンテンツを調べあげましたね。
――本作を執筆するにあたって特に影響を受けた作品はありますか?
岩田:全体で言えば、『魔法少女リリカルなのは』と『魔法少女リリカルなのはA’s』、変身シーンは『ビビッドレッド・オペレーション』 の影響を強く受けています。魔法少女ものではありませんが、やはりファンタジー&仕事ものという意味で『機動警察パトレイバー』は参考になっています。あとは『激走戦隊カーレンジャー』ですね。社会人が副業でヒーローをする、という作品だったので放送当時も斬新だなと思いながら観ていました。
魔法少女の魅力とは…?
――岩田さんの考える魔法少女の魅力とは何ですか?
岩田:まずはアクションシーン。魔法少女コンテンツはアニメで観ることが多いと思うのですが、大抵アクションに作画力が割かれており、流れるような気持ちよさや、リアルでは絶対にできないカメラワークに惚れ惚れします。
変身シーンもかかせませんね。『セーラームーン』の頃から、変身=化粧として捉えられているなと感じるところがあり「少女がお化粧をして女性になるんだ!」という覚悟や背伸びした感じがとても好きです。大人になっても、新しい服や新しい化粧品を買った時にウキウキするような気持ちになるのは、魔法少女の変身シーンに重なる部分があるように思います。
あとは少女に強大なパワーが与えられているというアンバランスさ。「非力な少女が世界を背負わされて泥まみれで戦う」というのは、シンプルに「アツい」と感じますね。