定年後「抜け殻」状態になる人とは…今からでも行動できること
いざ働き始めたものの、目の前の仕事に忙殺されて、なんだか楽しくない……。そんな悩みを抱えている若手ビジネスマンも多いと思います。
大学卒業後、三井物産に23年間勤務し、ホリプロ取締役、リンクステーション副社長を経て、現在はビジネス書の執筆、講演、研修活動を行う、企業風土改革コンサルタントの古川裕倫さん。著書『仕事を楽しめる人は「忙しい」と言わない』は2020年に「第6回ビジネス書大賞」(主催:世田谷ビジネス塾)を受賞するなど話題の一冊です。
今回はそこから、古川さんの若手時代についての考察を紹介します(以下、同書より抜粋)。
アッという間のビジネスパーソン人生
20代、30代、40代、50代とだんだん歳を重ねると時間の流れが加速するように感じます。ただ時間に流されているとアッという間にただの年寄りになってしまいます。同じ年寄りになるのなら、「おもしろい人」「すてきな年寄り」と言われる人になりたいものです。仕事もできて、充実した人生を送ってきたいい顔をした年寄りになりたい。つまり、人間的魅力の高い人です。
ところが、何も考えずに時間にただ流されているのでは、そういう大切なことに気がつかないまま人生が終わってしまいます。また、会社員時代は、働くという目標があったものの、それが終わったとたんに「蝉の抜け殻」のようになってしまう人たちもいます。
定年後は「過去形の話」が圧倒的
私は原稿を書きによく近所の喫茶店に行きます。平日の昼間は、会社を定年した常連さんがたくさんいます。人の話を盗み聞きしているつもりはないのですが、会話が耳によく入ってきます。
話の多くは企業戦士時代のもので、「○○会社にいたときはあんなことやったものだ」などと過去の話に花が咲いています。立派に会社を勤め上げた人たちであり、その意味からは大尊敬です。
ただ、過去形の話が圧倒的に多くて、「これから○○したい」という未来形の話がほとんどないように思います。「まだ1時だ。これから何をしようか」と言って麻雀仲間に連絡をする人やそこからパチンコに出かける人などいろいろですが、仕事だけではなく人生でやりたいことを持っていたいものです。こういう人たちは全速力で会社人生を駆け抜けてきたのであり、アッという間に定年を迎えたのでしょう。