“元芸人”マンボウやしろが語る、今のお笑い「若い子は洗練されている」
2020年初頭より流行し、いまだ収束しない新型コロナウィルス。そのコロナをテーマにした短編小説集『あの頃な』(角川春樹事務所)を2月に発表した、ラジオパーソナリティ、タレント、脚本家、演出家のマンボウやしろさん(45)にインタビュー。
初小説執筆の裏話を聞いた前編に続き、後編では、奇しくも本書の発売日にやしろ自身のコロナ陽性が発覚した時のことや、2011年に解散するも、昨年より不定期でネタを披露している林克治さんとのお笑いコンビ「カリカ」、「ニューカリカ」の現在と未来についても聞いた。
ラジオでは全方位で嫌な思いをさせないように
――『あの頃な』はやしろさんの“俯瞰の目”が光る短編小説集ですが、小説のテーマである新型コロナに限らず、物事を俯瞰で見るタイプですか?
マンボウやしろ(以下、やしろ):そうですね。ラジオをやってきたことが大きいと思います。
――というと?
やしろ:夕方の時間帯にしゃべらせてもらっていますが(TOKYO FM「Skyrocket Company」)、そうするとオフィスで流れているとか、聴きたくて聴いている人ばかりじゃないんです。不快な思いをさせないという大前提があったうえで、少しふざけている部分を入れていかないと聞かない人が増えていってしまう。全方位で嫌な思いをさせないように気を配る必要が出てくるんです。
いまだに「コロナはない」という人もいる
――難しそうです。
やしろ:難しいですよ。コロナに関しても、いまだに「コロナはない」という人もいるし、2020年のときにはもっといました。だから、毎回「コロナというものがあったとしてですね、今回の感染予防をするにあたり……」といちいち断りを入れていくんです。それを言うだけでクレームがこなくなる。
「Skyrocket Company」は17時からの放送なので、東京都の感染者数がいち早く発表になるんですけど、「感染か陽性かでひっかかる方もいらっしゃると思いますが、僕は専門家ではないので、東京都の発表通りの言い方をさせていただきます」と一言入れています。大変ですが、考える力はつきましたし、いろんなカード、選択肢があるほうが、生きていく上でもいいですから。