“笑顔が消えた”ロシア出身の人気タレントの覚悟「プーチンはロシアも破壊している」
ロシアによるウクライナ侵攻を受け、ロシア人が声を上げ始めている。タレントの小原ブラス氏(@kobaravlas)も自身のYouTubeチャンネルを通じ、痛烈なプーチン批判を展開。身の危険を案じる声も上がるなか、反戦の思いを語ってもらった。
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プーチンが戦争決断で中立から反対へ
「プーチン、それはあかんやろ。侵攻はしたらあかん。そこにあるのは人の命――」
ロシア出身のタレント小原ブラス氏は、2月24日、自身のYouTubeチャンネルでプーチンによるウクライナ侵攻を痛烈に批判した。テレビ番組『アウト×デラックス』のレギュラー出演時の“明るい関西系ロシア人”のキャラクターからは想像できない、沈痛な面持ちだった。
多くのロシア人が沈黙を守る中、ロシア人による実名でのプーチン批判が注目を集めた。その後、ピロシキーズとしてコンビを組むロシア人モデルの中庭アレクサンドラ氏とともに、いろいろなメディアの取材に応じ、反戦への思いを伝えている。
登録者数21万人のピロシキーズのYouTubeチャンネルでは、関西弁によるロシアの面白ネタや明るいシモネタ動画を届けてきた。だが、プーチン批判を最後に、更新を止めた。
日本で育ち、日本で教育を受けた感性
「撮りだめした動画はあるのですが、いまはとても笑顔の姿を配信する心境ではありません。プーチンがこの軍事侵攻を始めるまでは、ロシアと西側の双方のメディアを見て、中立的に判断しようとしていたんです。しかし、プーチンが戦争という決断に至った時点から、軍事侵攻に強く反対しています。『お花畑』と言われるかもしれませんが、あらゆる努力をして、武力ではない解決を探るべきです」
ブラス氏は5歳のときに、ロシア人の母親が日本人と再婚したことで日本に移住した。代表を務めるタレント事務所は「オールモスト・ジャパニーズ」という。その名が示すとおり、日本で育ち、日本で教育を受けたブラス氏の感性は、日本人に近い。とはいえ、母はロシア人のため、ロシア人の心情も理解できる立場にある。
「子供のころにオリンピックを見ていると、母は『ロシア人かウクライナ人の選手が出てきたら呼んで』と言いながらご飯を作っていました。そして、両国がメダルを取れば嬉しい。多くのロシア人にはウクライナに対してそんな親近感がある。ただ、スターリンがウクライナで意図的に飢餓を起こして大勢の人が亡くなった過去などもあり、ウクライナの人からすれば、そう単純ではないのですが」
その関係は、日本と返還前の沖縄に近いのではないかという。