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大雪の中、バス停まで徒歩30分.…北海道で暮らす厳しさを痛感した出来事

学び

 移住先や転勤先としても人気の高い北海道。確かに、夏もほかの地域ほど高温にならず、過ごしやすいですが、冬は一転して厳しい寒さが続きます。しかも、それ以上に厄介なのが雪です。春~秋と冬の北海道は完全に別物ですが、そこは理解できていない人も多いようです。

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大雪により短時間で雪に埋もれた駐車場(以下、本人提供写真)

 2021年10月、転勤で札幌支社に異動となった沖原賢也さん(仮名・28歳)も北海道勤務が決まって最初は大喜び。しかし、すぐに厳しい現実を目の当たりにします。

北海道なのに大雪でJRが終日運休に!

「大学時代、夏休みに1度だけ旅行で来たことがあるんですけど、北海道って景色がなんか違うじゃないですか。滞在したのは1週間ほどですが、いつか住みたいなって漠然と思っていたんです。辞令が出る前に内々に打診された際、即答で『行きます! ぜひ行かせてください!』って言ったんです。

 ただ、僕がイメージしていたのは雪のない季節の北海道。冬は雪が降って寒いことは知っていたけど、本当の意味で理解はまったくしていなかったんです

 なかでも沖原さんが意外に感じたのは、雪国なのに大雪になるたびに鉄道のダイヤが乱れたこと。特に今シーズンは除雪が追いつかず、札幌近郊のJR全線が終日運休となった日が何度もあったのはニュースなどで知っている人も多いはずです。でも、彼の中では完全に想定外の事態だったといいます。

比較的近くに住んでいたため仕方なく出社

北海道

歩道から車道が見えないほど雪が積もっている

「北海道出身の同僚から札幌は最近冬場でも雪が少なく、ほとんど雪の降らない首都圏などと違って、大雪でもJRは定刻通り走ると聞いていたからです。だから、2月上旬と下旬、2度にわたって札幌発着のJR全線が数日間運休が続いたときは本当に参りました。あのときは交通手段がないのに会社に出社しなければいけない状況だったので……」

 ちなみに現在住んでいる社宅マンションがあるのは、札幌駅からJRで2駅隣のエリア。上司や同僚にはさらに遠くから通勤している者も多く、彼らはこの状況で会社に通うことが不可能でした。職場の専用端末からでないと対応できない業務があり、職場から比較的近い地域に家がある沖原さんに出社することに

 とはいえ、自宅から会社までは直線距離で約5.5km。地図アプリで検索したところ、徒歩1時間弱と表示されましたが土地勘もなく大雪で歩きづらい状況ではそれ以上かかるのは確実です。

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