全国で消えつつある「赤いコンビニ」。統合しても“お弁当”に残る精神
長引くコロナ禍は大手チェーン店にも大きな影響を与えることとなったが、そうしたなか街なかで見慣れたあの「赤い看板」のコンビニも急速に姿を消しつつある。
そのコンビニとは、かつては大手コンビニとして全国各地に展開していた「ポプラ」だ。
西日本で広がった老舗コンビニ「ポプラ」
ポプラは1974年に広島市で創業、1970年代にはコンビニ業態でのチェーン展開を開始。西日本では「セブン-イレブン」など首都圏大手の出店速度が遅かったこともあり、中国・四国・九州地方ではポプラがコンビニ黎明期を支える存在となった。
ポプラの一番の特徴といえば、チェーン展開初期から販売されており「ポプ弁」の愛称で親しまれる「HOT弁当」。
このポプ弁は、おかずだけが入った弁当に店舗で炊いた「炊き立てご飯」を詰めるサービスで、ほとんどの店舗で「大盛りサービス」や「ふりかけ無料サービス」も実施。「学生時代に『大盛りポプ弁』のお世話になった」という人もいるであろう。
大手各社の出店攻勢で絶滅危惧種に!?
1998年には大手百貨店「高島屋」系だった都市型中堅コンビニ「生活彩家」を合併するなどして大都市圏にも経営基盤を築き、2000年代には700店舗台にまで成長したポプラであったが、セブン-イレブンなど大手各社の西日本出店攻勢を受けて徐々に店舗を減らすこととなる。
こうしたなか、2014年末にローソンと資本業務提携を結ぶと、ローソンの店舗が少ない山陰地方の店舗から徐々に「ローソン・ポプラ」への転換を開始。
この「ローソン・ポプラ」は店の看板はもちろんのこと、取り扱い商品もほとんどが一般のローソンと同様であるものの、ポプラの一番の特徴である「ポプ弁」を残した業態で、ローソンが少ない地方を中心に展開したということもあり、当初は「ローソン・ポプラ」転換を喜ぶ声も多く聞かれた。