異国の地でコロナ感染した28歳が語る、療養の日々「シャワーを浴びるだけで息が上がる」
3年目に突入したコロナ禍。徐々に海外への入国も緩和されつつあります。
今回は、2021年12月に海外旅行先でコロナに感染してしまった男性の悲劇を紹介します。
仕事を調整し、満を辞して海外旅行へ
フリーランスエンジニアとして働く田村一樹さん(仮名・28歳)は、大の海外旅行好き。コロナ禍でありながら、当時、段階的に観光客の受け入れをしているフランスへの旅行を決意しました。
「2021年の12月のことです。私はフリーランスで働いているため、仕事の場所やスケジュールに制約はありません。なので、その月の仕事を旅行前にすべて終えて、友人とフランスへ行くことを計画していました。
その頃は日本国内でオミクロン株が本格的に拡大しておらず、僕自身もコロナに感染したこともなかったので、大丈夫だろうと甘く考えていたと思います。48時間以内の陰性証明の提出はありましたが、ただワクワクする気持ちを胸に膨らませ、友人と日本を発ちました」
観光のスケジュールをみっちりと立て、待ちに待ったフランス観光がスタートします。
フランスでまさかのコロナに感染…
フランスの建築やお店など、街並みを堪能していたのも束の間。体調に異変が……。
「少し風邪っぽいなと思っていたんです。そしてフランス滞在5日目の朝、熱っぽさと倦怠感を感じました。ホテルの部屋のクーラーが効いていたこともあり、風邪をひいたかな? と思ったのですが、その後すぐに友人も不調を訴えました」
コロナの初期症状として、熱や風邪のような症状が出るといわれています。
「すぐにPCR検査を受けました。そして、その日の夜に陽性との結果を受け取りました。10日間の隔離生活は、滞在中のホテル、もしくは指定の施設でほかの陽性者と5人で部屋を共有するかのどちらかでした。ホテル隔離となると食費などはすべて自費となるのですが、狭い空間で大勢と缶詰状態になることだけは避けたかったので、すぐにホテル滞在の日数を延長しました」