有名ラーメン店の海外店長は29歳。流血沙汰に巻き込まれても「将来が楽しみ」
東京・新小岩の本店を中心に店舗展開をしており、レビューサイトでも常に上位に君臨する人気店「麺屋一燈」。
「濃厚鶏白湯魚介」と「芳醇淡麗」の2種類のスープが特徴で、男性や家族連れだけでなく、女性が1人でも気軽に行ける店舗デザインも魅力のひとつ。
一燈グループは日本国内のみならず、アジア各国(台湾・バンコク・香港・ホーチミン)でも展開。監修・食材ルートの確保・店舗運営のノウハウと、国ごとにプロデュースしている。
どのようにしてローカライズしているのか、またコロナ禍での海外の飲食店事情も気になるところ。今回は一燈グループのベトナム・ホーチミン店「豚骨一燈」代表の西家浩章さん(29歳)に自身のキャリアを振り返ってもらいつつ、ベトナムでの生活についても語ってもらった。
初の海外旅行で大きな出会いが
西家さんが海外へ興味を持ったのは就職してから初めてスペインに旅行した時だった。
「行き先はどこでも良かったのですが、大学で建築デザイン系の学部を出ていたのでスペインのバルセロナに。サグラダ・ファミリアの主任彫刻家は日本人の外尾悦郎氏と知っていたので、『運よく会えたらな』なんて思って行きました」
残念ながら外尾氏に会うことはできなかったが、現地で活躍する日本人に出会い、それがきっかけで海外で働くことを思い描くようになる。
「スペインの大学院に行った方と出会ったんですが、たまたま共通の友人がいたこともあり意気投合。在スペインの日本人の経営者などを紹介してくれました。話を聞くなかで『めちゃ楽しそう。一皮向けてる』と感じました。仕事も重要ですが、みなさんプライベートも楽しめているようで。メリハリのある生活が海外にはあるんだなと。日本でモヤモヤしながら働いていたので、いつか自分も海外で働こうとその時決心しました」
その場でベトナム行きを決意
海外就職を視野に入れ、そのためには人脈を作るべきと感じた西家さん。著名人や経営者が多く訪れる日本の西麻布の和食居酒屋とバーを運営する会社で働くことに。そして、そこで現在へと繋がる道を見つけることになる。
「お客様から『豚骨 一燈』ベトナム出店における責任者を探していると聞いて。その場ですぐに『私に行かせてください!』と申し出ました。突然『ベトナムに行く!』と言ったので両親には心配されましたね。
3人兄弟の末っ子で、兄2人が真面目でしっかりしていたのに僕だけ何となく海外に行きたいと言ってフラフラしていたので……。でも実際ベトナム行きが決まると、『大丈夫?』と言いながらも応援してくれましたし、兄たちも背中を押してくれました」