デスクワークばかりの大人が気づかない「座りっぱなし死」のリスク
こんにちは、年間1000人の働く人の心や体の悩みにのっている産業医の武神です。
産業医面談を数多くしていると、相談内容には年齢特有のものがあったりすることに気がつきます。
今回は、20代の若者の体の健康相談で、よくある悩みを紹介させていただきます。あなたにもお役にたてば幸いです。
座りっぱなしだと死亡率が上がる?
最近、スタンディングデスクの普及に伴い、立って働くことのメリットを訴える研究だけでなく、座って仕事をすることの健康リスクの話を目にする機会が増えました。
米国がん協会が、18年間に渡り12万3000人を調査たところ、1日6時間以上座っている人の死亡率が高いことが分かりました(:参照)。
オーストラリアの22万人の調査では、1日あたりの座る時間が4時間未満の人に比べ、11時間以上の人は死亡のリスクが40%も上がることが明らかになりました(:参照)。
では、座っていることは本当に健康に悪いのでしょうか。
「座っているだけでもツラい」
産業医としての私の見解は、実際に座ること自体は身体に悪くないと思います。じっと座ったまま長時間、動かないことがよくないのです。
事実、どんな体勢であれ長時間同じ姿勢でいるのは健康に良くありませんので、長時間の立ちっぱなしもよくないでしょう。
若いビジネスマンに話を聞くと、社会人は学生とは違い、1日8時間以上、座ったり立ったりしていないといけないことがツラいという人が多くいます。
なかでも、デスクワークが中心のビジネスマンにおいては、長時間座っていることがこんなにツラいとは思わなかったと感じる人が多いようです。