夢より結婚を選んだバンドマン、初の就職で待っていた悲しい現実
歌手や役者、お笑いタレントなど、若い頃に「好きなことを仕事にしたい」と考えていた人は多いと思います。しかし芸事は熾烈な椅子取り合戦で、夢を実現できる人は一握り。結婚やパートナーの出産により夢を諦めざるをえなかった経験がある人も多いのではないでしょうか。
好きなことだけで生活できていた
以前、インディーズシーンでバンドをやっていたという清水純一さん(仮名・29歳)は、まさにその一人です。バンドで生計を立てられるほどの収入があったといいますが、当時付き合っていた彼女と結婚を考え、引退という道を選びました。
「月20万〜30万円程度は稼げてました。まだ無名のバンドマンにしては良いほうですかね。バイトしながら活動する『兼業バンド』が掃いて捨てるほどいましたから」
メジャーデビューはしていませんでしたが、ライブツアーや物販の売上でそこそこ安定した収入を得ていたそうです。そして何より「好きなことをして生活できる」ことに充実感を感じていました。
飲み会にいた女性に一目惚れ
「作曲やスタジオ練習、ツアーの予定を組んだりと、仕事は完全にバンドに関連することのみ。おかげでストレスは一切なかったです」
もしバンドが解散しても、スタジオミュージシャンや音楽制作などの音楽に携わる仕事ができればと考えていた清水さんでしたが、彼女ができて気持ちが180度変わりました。
「バンドをやっているだけで、なんだかんだ一部の女の子にはモテるんです。独身のうちは遊んでおきたかったので、特定の彼女は作らないようにしてました。でも、たまたま呼ばれた先輩バンドの飲み会にいた女性に一目惚れしちゃったんです。速攻で連絡先を聞いて、後日デートにこぎつけました。ラッキーにも彼女は僕のファンだったそうで、付き合えることになったんです」