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在米日本人にも危険が…非白人を嫌う極右グループが、トランプ劣勢で過激化

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 米大統領選が差し迫るなか、10月に入ってドナルド・トランプ大統領の新型コロナウイルスへの感染が判明した。トランプ大統領はすでに退院したが、一時はメラニア夫人やマクナニー報道官などホワイトハウス関係者の感染も相次いだ。

ドナルド・トランプ

ドナルド・トランプ大統領 © Gints Ivuskans

 クラスターは9月下旬の保守派裁判官の最高裁判事への任命式で発生した可能性が高いとみられるが、トランプ大統領は選挙への焦りか、1週間も経たないうちにホワイトハウスに戻った。これに「感染を拡大させる気か!」と内外からは批判の声があがっている。

感染が原因でバイデン支持に?

 一方、今回の感染によってトランプ大統領は窮地に立たされたとみる専門家も少なくない。これまでマスク着用を軽視する発言を繰り返していた結果、感染したことで、トランプ支持からバイデン支持に動いた人々もいるという。

 ワシントン・ポストとABCニュースによる最新の調査結果では、バイデン候補が10%以上の差をつけてトランプ大統領をリードする展開となっている。ここまで支持率で開きが出るのは初めてだ。両者が会った第1回目の討論会は荒れに荒れ、バイデン候補が話しているときに口を挟むような、トランプ大統領の態度が酷かったことも支持率の開きに影響しているとみられる。

国のリーダーを選ぶのではなく…

有色人種からの反感は根強い ©Keith Ramsey

 現在、米国では親トランプと反トランプで分断が進んでいる。トランプ支持者の中には黒人やイスラム教徒、アジア系といった非白人を排斥しようと声を上げる人々も多く、今回の大統領選は国のリーダーを選ぶのではなく、さながら“白人vs非白人の争い”の様相を呈している

 筆者は米国が「一種の内戦状態」にあるように感じている。10月8日には米検察当局が、ミシガン州のグレッチェン・ウィットマー知事(民主党)の誘拐と州議会議事堂襲撃を企てたとして、極右グループ13人を逮捕した。ウィットマー知事は、新型コロナウイルスへの対応を巡り、かねてよりトランプ大統領を批判していた一人だ。

 今回は未遂に終わったが、こういった混乱が続けば、11月の大統領選の際にトランプ大統領を支持する極右グループが活動を過激化させる恐れがある。

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