コロナ感染した30代記者、8日間のホテル療養で「話し相手はロボットだけ」
7月28日(火)、新型コロナウイルス感染症の陽性判定。そして、30日(木)からホテルでの療養が決まった。連日、3桁台の感染者数が報じられるなか、陽性判定からたった2日後に受け入れ先のホテルが決まったのは不幸中の幸いだった。発症から陽性判定への流れを記録した前回に続き、私(30代・都内在住のフリーライター)がホテルでの療養中に感じてきたことを振り返りたい。
7月30日(木):ホテル療養スタート
約束の時間、13時半に送迎車が自宅前に到着。車内は運転席と後部座席がアクリル板で仕切られている。運転手はやけに不愛想で、私語の類は一切ない。これも保健所の指導によるものなのだろうか。自分ともう一人を乗せて、療養先に指定されたホテル「東横INN 東京駅新大橋前」に15時ごろに到着する。
ホテルの前で、マスクを着用した施設のスタッフが出迎える。エントランスから1階ロビーに入ると、長テーブルがあり、療養にあたっての案内など書類一式が入った封筒が置かれていた。
封筒には各入所者の氏名と、部屋番号が明記されていて、ルームキーが封入されている。誰かに案内されることもなく、各自が自分に割り振られた居室に向かうことになる。部屋に入室後、書類への記入と検温アプリへの登録を済ませる。
封筒には、小池百合子都知事による直筆の手紙も封入されていた。ホテルでの隔離生活を終えたとき、誰かに自慢できるお土産が手に入ったと思った。
7月31日(金):ホテル療養2日目
療養中の外出は一切禁止。ホテルのエントランスは出入りできないように封鎖されている。差し入れの類も直接手渡しで受け取ることはできず、後日ホテルの1階ホールの所定場所から取りに行くことになる。
朝と夕方の検温、朝昼夕の3度の食事が毎日のルーティンで、1階ロビーで食事を受け取る以外は居室で過ごす。居室内での行動は、基本的に自由となっている。ホテル内のあちこちに療養中の注意事項が明記された貼り紙が目についた。
食事を取りに行くときが、唯一他の入居者と鉢合わせる機会となる。入居者の男女比は、男性7:女性3といったところで、20代から30代くらいが多いように見られた。
療養中は、内線で看護師から体調の具合を聞かれる以外、一切誰かと会話をすることはない。他の入居者と顔を合わせることがあっても、私語ははばかられる雰囲気があった。