手取り9万円の23歳男子が、コロナ禍で“ママ活”に手をそめた事情
コロナ感染拡大による外出自粛や休業要請で、売上減少した事業者や生活が困窮した人も少なくありません。中堅のアパレル業界で販売を担う三山賢人さん(仮名・23歳)も、その一人。
生活費のほかに奨学金の返済にも困った三山さんが、苦肉の策で行ったのが「ママ活」。若い女性がお金持ちおじさんに援助してもらう「パパ活」の男性版がママ活です。彼のコロナ禍での奮闘について詳しく話を聞きました。
手取り16万円がコロナで減額
新型コロナウイルスの初期感染拡大が続いていた3月、三山さんが働くアパレル店舗でも売上や客数がだんだん減ってきたといいます。
「4月7日に非常事態宣言が発令されると、店舗販売からセール品の整理など倉庫仕事に異動させられました。2週間ほどで倉庫仕事が一通り完了すると、突如として会社から給料カットの通達が届きました」
三山さんが上司から言われたのは「売上減少による賃金の約6割のカット」。もちろん、労働法上、一方的な給与条件の変更は不可能です。しかし、「合意しなければ退職」というプレッシャーを受けた三山さんは、その条件をやむを得ず受け入れたそうです。
「手取り16万円が9万円になりました。住んでいるワンルームが家賃5万5000円なので、当然、生活費も足りないですし、月額5万円の奨学金の返済もできなくなってしまいました。貯金は7万円しか残ってなくて、これまでブランド物ばかり買っていたことを後悔しました」
女友達から「ママ活」のお誘い
そんな三山さんには、1年前に実家近くの飲み屋で知り合ってから都内の居酒屋でも時々飲んでいるという由香さん(仮名・23歳)という飲み友達がいます。そんな彼女からLINEが届いたのはゴールデンウィークの前日。意外なことを持ち掛けられたそうです。
「給料カットされて生活苦であることを伝えると、由香は学生時代からパパ活をやっていると打ち明けててきました。そして、コロナ禍で困窮している僕に、ママ活をしたらどうかと勧めてきたんです」
由香さんは、パパ活専門サイトの「B」ほか複数に登録。40~50代の歯医者や企業の部長クラスと月2、3回のデートをして、月に20万円以上稼いでいました。そして、三山さんにも「H」や「W」などの出会い系サイトを使ったママ活を勧めたのです。
「でも登録には、運転免許書など本人確認が必要なので、リスクが高いと思ってやめました。それに、実は僕、学生時代にツイッターの裏アカウントを運営していたんです。きっかけは母親との問題。家庭環境が複雑だったことと、小さい頃から虐待を受けていたせいで、精神的に参っていました。
当時は同い年か、年下の女の子にしか興味がありませんでしたが、結構モテていたんです。大学3年になって就活の悩みを打ち明けたりしていると、今度は年上の女性からDM(ダイレクトメッセージ)で誘われることもありました」