「月給20万が突然8万に…」コロナ下で多い労働相談と、その対抗策
新型コロナウイルスの影響で倒産や人員削減が増えているなか、「職を失いたくない」と不安になるのは当然のことです。
たとえ勤務先がブラック企業で理不尽な仕打ちを受けてもしがみつきたくなりますが、このような状況に「我慢しないで」と励ますのは、労働問題の解決をサポートする総合サポートユニオン共同代表の青木耕太郎氏。
長時間労働やパワハラ、セクハラなどで心身ともに潰されそうになっている働く人たちと向き合ってきた青木氏から、コロナ禍の中、ブラック企業に入社してしまった場合の対処法と、職探しのポイントを語ってもらいました。
ユニオンに聞く労働トラブル対策
――総合サポートユニオンは、どのような活動をしているのでしょうか。
青木耕太郎(以下、青木):働く人の権利が守られる社会や、ブラック企業によって若者が使い潰されることのない社会を目指して結成された労働組合が総合サポートユニオンです。
2014年発足した「ブラック企業対策ユニオン」から2015年春に「総合サポートユニオン」へ名称変更すると、正社員や非正規雇用という働き方や業種・職種を問わない相談が全国から寄せられています。
総合サポートユニオンの特徴は、企業の枠を超えて誰でも一人でも加入できる労働組合だということです。社内労組とは異なり、社内のしがらみや利害にとらわれず、純粋に働き手の側に立って交渉できることが強みです。
20万円だった給料が8万円に
――非常事態宣言が発令される前後から、5月までの間で、相談が多かった職種はなんでしょう。相談内容はどんなものが多かったですか。
青木:外出自粛要請に伴う休業で大打撃を受けた飲食関係や、食品以外の百貨店の販売業などの小売りですね。ほかに理美容などの接客サービスや保育園や幼稚園、専門学校などの学校関係が多かったです。
20代に関していえば、トップがホールやキッチンなどの飲食関係。次が保育です。相談の内容は、休業にともなう補償が一切ないことや、またはこれまで20万円だった給料が8万円になるなど一方的な減額の対策です。
休業補償がなかったり、減額されたりのケースは非正規雇用者が多いです。正社員の場合でいえば、大手企業の多くは法律に基づいた形での休業補償を行っています。他方で、休業中の中小企業で働く労働者から、補償がないという相談があります。