元AV女優×底辺キャバ嬢が語る、働くオンナのキャリアと出産:鈴木涼美×カワノアユミ対談
『底辺キャバ嬢、アジアでナンバー1になる』を上梓したライターのカワノアユミさんと、作家で社会学者の鈴木涼美さんの対談。今回は後編です。
20代を夜遊びに費やしてきた二人に、20代の女性が抱える悩みごとや、フリーランスとして長く働くためのコツなどについて話し合ってもらいました。
キャバで働くのは「人生経験」になる?
鈴木涼美(以下、鈴木):私は経歴がネタにされることが多いからか、女性読者から「学生時代に援交もブルセラもキャバクラもAVもやってなくて、人生経験が乏しくいので後悔してます」って言われることが少なからずあります。
確かに、私にとってはAVでもキャバクラでも、楽しかったなという記憶はあるし、自分の武器にもなっていると思う。ただ、女子大生から「就職前にキャバで働いたほうが人生経験になりますか?」なんて聞かれると、ちょっと暗い気分になります。
カワノアユミ(以下、カワノ):やらなくていい人生が選べるなら、そっちのほうがいいんじゃないかなって私も思います。
鈴木:人生経験って「人生経験を積もう」と思って積むものではないから。確かにずっとドトールでバイトしていた人は、キャバ嬢をしていた人が舐めた辛酸や味わった幸福、受けた刺激はわからないかもしれないけど、逆だってそうですからね。
私はドトールのバイトの楽しさとか知らないわけだし。だから、キャバクラもAVも興味がないならやる必要ないし、やったことがない、ということにコンプレックスを感じるのは全くの見当違いな気がします。
「キャバもカフェもあらゆる経験は等価」(鈴木)
カワノ:20代でやったほうがいいことは、ワーホリとか海外留学は25歳までに行くといいですね。
鈴木:私、あらゆる経験は等価だと思ってるんですよ。キャバ嬢だった経験も、カフェで働いたことも、経験値という意味では同じなんですよ。
でも水商売や風俗は「ふつうの道」から外れてるから、ドトールで働くよりも経験値が高いって勘違いする人が多い印象を受けます。一見、「経験豊富」に見られそうな経歴のほうが本当に経験が豊富かなんてわからない。もっとも安易な稼ぎ方でもあるわけですからね。
カワノ:25歳までならまだしも、それ以降で仕事をやめて、語学留学して、ワーホリ行くってまあまあリスキー。大学卒業して、すぐに行ったほうが安全ですよ。