安倍首相「桜を見る会」はルール違反だらけのクソゲー<ダースレイダー>
東京大学中退という異色な経歴を持ちながら、明晰な頭脳を生かしマルチに活躍するラッパー・ダースレイダー(42)。
この連載では現代日本で起きている政治や社会の問題に斬り込む。今回も、前回に引き続き「桜を見る会」について触れる。
予算の大幅な超過や、招待基準の不透明さについて、野党の追及本部によるヒアリングは20回を超えた。安倍首相や酒田元洋内閣府官房総務課長の、のらりくらりとした答弁に、「そもそも何が問題なんだっけ?」と本来の論点を見失っている人も多いようだ。
この国ではいったい何が起きているのだろうか? ダースさんに、本質的な問題とは何なのか語ってもらった。
「桜を見る会問題」には大量のルール違反
ダースレイダー:僕は、プロセスの可視化、つまり、誰がどういう手順で決めたか、っていうことをみんな(国民)が知っているっていうことが、民主主義をある種の“ゲーム盤”として考えたとき、僕らがそれに参加する唯一の前提条件だと思っています。
これって実は、めちゃめちゃ保守的で、昔の伝統を大事にしようと思っている人でも、めちゃめちゃ革新的で、全員のお金を集めて再分配だって言っている人であろうと、同じルール上にいる。
プロセスが可視化されていれば、「ま、そういう人もいるよね」とか「じゃ、今回はいいや」ってなるのが、今回は全部教えてもらえないままでゲームをやっていて、それは不可能に近い。
だから桜を見る会問題は僕らがゲームとしてプレイできないこと、それ自体が問題だと言える。要は、“民主主義という現実を生きていくサバイバルゲーム”をする上でのルール違反が大量にある状態。
だから『ドラクエ』で言ったらマヌーサみたいに、見えなくさせて、逃げを打とうとしているのをしっかりとらえてバシンと打ち込む必要がある。とにかくプロセスを見せましょうと。
政府は僕らがプレイヤーってことを忘れている
ダースレイダー:この重要性を日本人はあまりわかってないですが、誰がどう決めたかっていう情報は、もともとは僕らのもの。ただ、政治家は僕らの代理としてそれを話し合っていて、そして官僚は僕らのためにそれを預かっていると。
だから僕らが見せてって言ったら、いつでも見せなきゃいけない。いつでも僕らが、自分のものですから、アイテム表をピッて押したら何を持ってるかわかるように、パッと開いたら全部見えるようになってなきゃいけない。
ただし、社会の安全を守るために「この情報はちょっと他のやつに知られるとまずいんで、一旦預からせてください」っていうものが一部ある。
でもこれも、ずーっと預からせてくださいじゃなくて、「じゃあ、その状況過ぎたら、見せてくださいよ」とか「僕らで決めたんですけど、今これ出しちゃうとせっかく決めたことがダメになっちゃうんで、しばらくは、ちょっと……」とか。これは全然わかります。