モテない3重苦の兄貴に、なぜか求婚者が…弟が下した決断とは?
ときにいがみ合うことがあっても、切っても切れないのが兄弟の絆です。身近な存在だけに一度こじれてしまうと、大変なことになることも……。過去の栄光を引きずる売れない俳優の兄に頭を悩ませているのが弟のUさん(27歳)です。
「兄貴のSは、当初、芸能界に入る気はなかったものの、高校時代、街中で映画監督に『追い求めていた役柄のイメージにぴったり』とスカウトされて、いきなりデビューしたんです。有名俳優も多い事務所に所属しましたが、その後はほとんど仕事がなく、デビュー作が最大の仕事でした。昨年、Sはとうとう30歳になったんですが、撮影は年に1、2回で、実家にパラサイトしています」
「夏場は日焼けが気になる」で仕事放棄
そう語るUさんは、兄のSさんとは対象的な性格で、IT企業にシステムエンジニアとして勤務。Sさんは普段から自分を「売れている」と勘違いした言動を連発し、Uさんのヒンシュクを買っているそうです。
「Sは自意識過剰のため、飲食店やコンビニのアルバイトは顔がバレるからと回避するんです。また、突然オーディションや打ち合わせが入っても融通が効くように、ガテン系の派遣会社に登録して、変則的に工事現場に入っている。夏場は日焼けが気になると、1日に何度も日焼け止めクリームを塗って、挙げ句の果てに『それでも日焼けしたくない』と、途中で仕事放棄してしまったんです」
さらに過去の栄光にすがっているSさんは、自分がモテると勘違い。少ない稼ぎで、出会い系サイトや合コン、パーティなどに参加。しかし、売れない役者は「稼ぎもない・仕事もない・現実が見えない」という“3ナイ男子”なので、知り合った女性にいつもドン引きされるそうです。
「ことごとく婚活パーティでフラれるSの恥ずかしいエピソードが、僕の耳にまで入ってきます。うっかり両親に話したら、母親が悲しそうな表情を浮かべたので、それ以来、Sの困ったエピソードは僕の胸の中でおさめるようにしました」
売れない役者に恋心を寄せる美女
ところが、ある時、そんなSさんと「結婚したい」という女性が現れたのです。両親も、Uさんも一瞬、嘘じゃないかと疑ったそうですが、Sさんは舞い上がって、「家族に紹介したい」と言って聞く耳を持ちません。
お相手は、演劇のイベントで知り合ったSさんより2歳年下の美女。イベントの席で「NHKの大河ドラマに出演できるくらいの才能があるのに、無能なマネージャーや周囲の芸能関係者の嫉妬が足を引っ張っているのよ。人間関係を整理しましょう。私が生涯あなたの専属のマネージャーになるわ」と、アプローチ。
そこからタレントとマネージャーとして関係を築くうち、彼女からプロポーズしてきたそうです。
「Sに、人間関係の整理を強要する女性なんてアヤシイと思いました。僕なりの直感で、Sはダマされていると。あんなナルシストで、過去の一度だけの栄光しかない男を利用する価値は、映画の主役を一度やったということ。だとしたら一体、この女性は何をしようとしているんだろうと思いました」