BNK48キャプテンが語る、アイドルと映画の両立「大変だった」
2012年、AKB48の初の海外グループであるJKT48がインドネシア・ジャカルタで結成。そして、2017年、タイ・バンコクにおいて2番目の海外グループ、BNK48が誕生した。
当時、K-POPが席巻していた同国ではタイ人の女性グループは珍しかったため、社会現象を巻き起こすほどのブームとなった。BNK48がAKB48の「恋するフォーチュンクッキー」をカバーした曲は大ヒットし、YouTubeでのミュージック・ビデオ再生回数は現在1.7億回を超える。
公開中の映画『ホームステイ ボクと僕の100日間』はBNK48のキャプテンであるチャープラン・アーリークン(23)の映画デビュー作で、日本の作家、森絵都の小説『カラフル』が原作だ。
昨年、日本でも大ヒットした『バッド・ジーニアス 危険な天才たち』の製作チームが手掛けた本作は、日本の青春小説がタイ風に改変され、タイの高校生活なども日本人の目にはピュアで新鮮に映る。とはいえ、ノスタルジックでミステリアスなこのファンタジーはありがちな青春物語ではなく、死生観を至極真面目に語ったものだ。アーモンド形の大きな瞳が好奇心で煌めくチャープラン・アーリークンに、映画やアイドル活動について話を聞いた。
自分を観るのはとにかく恥ずかしかった
――本作が映画デビューですが、完成した映画を観てどう思いました?
チャープラン・アーリークン(以下、チャープラン):まず、信じられませんでした(笑)! もともと映画を観るのは大好きでしたが、まさか自分がスクリーンで“観られる”側になるとは想像もできませんでしたね。正直、映画出演のオファーがあったときは不安でしたが、「これはチャンスだから、やるからには全力でやろう!」という気合で臨みました。監督にこのような機会をいただいて、とても感謝しています。
――BNK48のパフォーマンスはよく観られていると思うのですが、ご自分の演技を見るのとは違いました?
チャープラン:アイドルとしての自分の姿を見るのには慣れているんですが、演技をしている姿には慣れていないので、とにかく恥ずかしかったです(笑)。この作品を2回観たのですが、1回目は自分の演技だけをチェックし、2回目は自分のことは忘れて作品全体を観るようにしました。そうして、物語における自分のキャラクターの役割を改めて客観的に理解できたような気がします。
ワークショップで感情を出せるように
――撮影前に3か月もの演技のワークショップに参加されたとか。
チャープラン:役作りや演技の仕方、セリフの覚え方、自分の感情を解放する方法など、ワークショップは新しい学びばかりで、大変でしたけどおもしろかったですね。実は、私は人前で泣けないというか、感情を出せないタイプだったんです。
でも、ワークショップでは「あぁ、こうやって感情って解き放っていいんだ」と実感しました。今ではすっかり涙もろくなり、すぐにウルっとくるようになってしまい……(笑)。
――アイドルとして活動していく上で、感情を出さないようにしていたのですか?
チャープラン:というよりは、化学を勉強していたせいか、感情よりも論理的思考を優先する性格だったんですが、ワークショップを通じて自分自身の弱点が見えるようになりました。そして、そんな自分の弱みを受け入れることによって、自分自身に正直になることができて。だから以前より、感情豊かになったと思いますし、前よりもハッピーになったと思います。