優秀な中国人の新入社員が「社長を呼び捨て」にした理由
仕事で失敗したことはありますか?「bizSPA!」世代の若いビジネスマンは、失敗しても、上司が「それも経験だ」と笑って多めに見てもらえることがあるかもしれません。
しかし、なかには上司にとって笑うに笑えない部下の行動もあります。
英語も、日本語もOK。優秀な中国人部下
そんなエピソードを明かしてくれたのは、中国人の部下への「伝え方の難しさを痛感している」という広告代理店営業・小阪水樹さん(仮名・36歳)です。
周くん(仮名・23歳)は中国籍で、日本の大学を卒業しているので中国語はもちろん、英語も、日本語も話せる優秀なトリリンガルの新入社員です。
周くんと小阪さんが所属するのは、社員数100人程度のベンチャー企業。新人教育体制もそこまで整っていないため、同じチームの先輩である小阪さんが社会人としての基本ルールから業務まで教えているようです。
「中国は行ったことないですが、近い国だし、発展もしていて、そんなに違いはないと思っていたんです。でも、彼のエルダー(世話役)になってから驚くことばかりです。私の教え方が良くないのかもしれませんが……」
社長を呼び捨てにしてしまった、なるほどな理由
最初に起きた事件は、彼の歓迎会での出来事でした。
「会社の方針で、歓迎会は新入社員と、そのエルダーが仕切るという慣習があり、私は彼を会場の案内係に任命したのですが、その当日、彼の周りがザワザワしてて、見に行ってみると彼が社長に注意されていました」
なんと彼は、同期ならまだしも、先輩も、部長も、さらに社長までも呼び捨てにしていたようなのです。しかしそれは、伝え方が不十分なためでした。
「私のせいだと顔面蒼白になりましたね。確かにある日、取引先に同行したときに『外では、社内の人間に敬語、敬称は使わないこと』を伝えたのですが、彼は、その“外”を“outside”と勘違いしていたようです」
日本語よりも、英語のほうが得意だという彼は一旦、日本語を英語に訳してから理解しているそうです。そりゃ“outside”だと思っても仕方ありませんんね。
あとで小阪さんが「社内の人間だけの場合は敬称で呼ぶ」と教えたのですが、この伝え方でもまたスレ違いが起きてしまいました。