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若者を食い物にする「モノなしマルチ商法」首謀者に聞く、悪の手口

ビジネス

 近年「モノなしマルチ商法」による被害が若者を中心に拡大している。

コンピュータ

※画像はイメージです(以下同じ)

 国民生活センターによると、2018年に寄せられたマルチ商法に関する相談件数は1万526件。そのうち半数を超える5490件がモノなしマルチ商法の相談だった。センターの統計では、2014年からの4年間で、29歳以下の若者層の被害者数は3倍にまで急増しているという。
 モノなしマルチ商法とは、商品を売るのではなく、投資や副業などに勧誘するマルチ商法だ。

モノなしマルチ商法は何が違うのか

 そこで今回は、実際にモノなしマルチ商法で年間数千万円もの大金を荒稼ぎしているという首謀者のA氏(30代・男性)に、生々しい実態を聞いた。

「今はネットやSNSにいろんなモノなしマルチが氾濫してる供給過多の状態。言うなれば完全な“買い手市場”なんだけど、それでも出資者は簡単に釣れるんだ。特に楽して金を儲けたいと妄想ばかりしてる人間は、絶好のターゲット。だから僕らは手を替え品を替えじゃないけど、頭の弱い連中から金を引っ張れる儲け話のネタを随時アップデートしてる」

 キューバ製の高級葉巻をくゆらせながら、したり顔でそう語るA氏。そもそも従来型のマルチ商法と、昨今問題になっているモノなしマルチは何がどう違うのか。

「よくあるマルチ商法というのは、例えばサプリメントや化粧品、あるいは浄水器とか、売りたい物品そのものを取り扱っている。だけど、モノなしマルチは、仮想通貨や海外投資の配当、アフィリエイト報酬などがメイン。だから商品の在庫をいちいち揃えておく必要もないし、そこにかかる余計なコストもいっさい発生しない」

 要するに、実態や仕組みがわかりにくくて不確かなものを取り扱うマルチ商法が「モノなし」と呼ばれる所以なのだ。

若い美人インフルエンサーを使った手口

マルチ

自らの手口について語るA氏

 ではA氏の場合、具体的にどんなモノなしマルチで数千万円もの大金を稼いでいるのだろうか。

「今は株系の投資マルチが多い。それと情報商材も少しだけ扱ってる。商材に関しては、安いものだと200~300円万くらい。本当に価値あるものになれば1000万円を超えるタイプも普通にある。まあでも、それ以上のことは答えられないな」

 そう言って口を閉じたA氏。しばらくして「過去のちょっとしたテクニックなら少しだけ教えるよ」と語り始めた。

「例えばだけど、若い巨乳の美人インフルエンサーを僕が仕込んで、彼女のツイッターに着エロみたいなきわどいセクシー画像を投稿する。それで『必ず儲かる投資があるんです。ワタシと一緒にやりませんか?』みたいなコメントをつぶやいてもらうんだ。

 ツイッターのアカウントも違法な裏技を駆使すれば同じ人が何件も取得できるから、盛り上げるためのサクラ用アカウントとして使う。それと、セクシー画像の閲覧は会員制にしちゃえば月々500円の会費もついでに徴収できる(笑)。つまり女性インフルエンサーのエロネタを撒き餌にして、本丸のモノなしマルチに誘導するんだよ」

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