自宅で美味しいコーヒーを飲む方法。コーヒーハンターに聞く
お店で淹れたような味わいを「イエナカ(自宅)」で手軽に楽しんでもらいたい。
そんなコンセプトのもと、サントリーが、本格的な家庭用ペットボトルコーヒー「プレミアムボス コーヒーハンターズセレクション」(750ml/税抜き298円)を発売した。
豆の原材料から輸送方法まで徹底した品質管理を実施し、既存のペットボトルコーヒーとは一線を画する本格仕様のイエナカコーヒーだ。その監修に携わったのが、「コーヒーハンター」の異名で知られる、株式会社Mi Cafeto(ミカフェート)代表のJose(ホセ)川島良彰氏である。
この道の第一人者でもある川島氏は、若かりし頃から、世界各国のコーヒー農園を訪問しており、その総数は3000か所を超えるという。今回は、その川島氏に、自宅で本コーヒーを美味しく飲む方法について話を聞くことができた。
自宅でおいしくコーヒーを淹れる方法
――川島さんはコーヒーハンターとして成し遂げたい夢があるとお聞きしました。
Jose(ホセ)川島良彰(以下、川島):僕はコーヒーの世界に「品質のピラミッド」を創らなければいけないと思っています。つまりワインのような“グレードに見合う価値”を与えられた本物の嗜好品にコーヒーを昇華させたいのです。
今回のサントリーさんとの共同開発もRTD(缶・ペットボトルなどのパッケージ飲料化)でも、品質のピラミッドを実現したいという思いもあり、試作を何度も繰り返しながら商品化に漕ぎつけました。
――近年、イエナカコーヒーの需要が高まっていますが、自宅でコーヒーを美味しく飲むためのポイントを教えてください。
川島:イエナカの場合、ほとんどの人が粉状に加工された即席コーヒーを飲んでいると思います。でも、本当に美味しいコーヒーを自宅で飲みたいのであれば、豆の状態を確認するところから始めてほしい。豆の選別作業をやるだけで、コーヒーの味わいは天と地くらいの差が出るんですよ。
使い物にならない豆を見極めよう
――そんなに違うものなんですか!?
川島:例えば、南米から日本に輸入されるコーヒー豆の場合、数か月の船旅を経てやってきます。その間、急激な温度変化や揺れなどが原因で、欠け豆や割れ豆になってしまったり、あるいは虫食いに遭ったもの、黄色く変色した未成熟の豆も混じっていたりします。
これら破損してしまった豆は酸化が一気に進むので使い物にならない、欠点豆。つまり、美味しいコーヒーにはまったく適さない豆が、たくさん混入している状態で輸入されるわけなんですよ。
――そうなんですね。
川島:なので、より「クリアな味わい」を再現するためには、豆の選別がものすごく大事なポイント。今回、サントリーさんと僕が共同開発して、商品化に成功したイエナカコーヒーも、徹底した選別作業をして使用する豆を均一にしています。だから、本当に味わい深いコーヒーを楽しみたいのであれば、多少面倒でも豆の状態から購入してもらって、しっかり選別してください。