本当にやりがい搾取?あえて「無給インターン」を選んだ女子大生の勝算
就活にインターン経験は必要? 新卒就活は、人生で一度きり。だから毎年、多くの悩める就活生が現れるのですね。
株式会社ディスコが、2020年3月卒業予定の大学3年生(理系は大学院修士課程1年生含む)を対象に行った調査によれば、インターンシップ参加者は全体の92.4%にものぼります。
しかしなかには職業体験の名のもとに大学生を労働力として酷使し、やりがいを搾取するような、“ブラックインターン”というものまであるのだとか。そんな体験をした涼原あやめさん(24)に話を聞いてみました。
そもそも就活にインターンは必要?
某有名私立大学を卒業したあやめさんは現在、ファッション誌の編集部の契約社員として働いています。彼女は大学3年生の秋から4年生の夏にかけて、無給のインターンを2つ経験したのだとか。なぜ、わざわざ無給のインターンを選んだのでしょう。
「最初のインターンはファッション系のPR会社で、3年生の秋から3か月間。高校生の頃からファッション業界に憧れていたので、ファッション業界に特化した求人情報サイトから募集を探しました。
出社は週2回で、定時は11時から19時。主な仕事は、商品のリース(貸し出し)作業、新シーズンの展示会の手伝いや、ファッション誌の編集部に商品を届けること。忙しい時期は残業をすることもたびたびありました」
無給なのに業務時間が長く、職務内容も本格的なこのインターンに求めていたものは?
“金銭”よりも“経験や人脈”を得るほうが価値に
「経験と人脈を得ること、ですね。当時はファッション業界とのつながりを一切持っていなかったので。もちろん当時も賃金が発生したほうが嬉しかったですが、“金銭”よりも、“経験や人脈”を得るほうが将来的に価値になるという思いのほうが勝っていました。
ただ、そうはいっても違和感があった瞬間はありました。例えば、社員が出払ってしまったとき。インターンの私がワンオペでオフィスを切り盛りしていました」
戦略的にインターンを選択したようですが、なかなかのハードワークだったよう。目的の人脈は得られたのでしょうか?
「それは、ラッキーなことにゲットできました! 契約の更新の際に、ファッション誌の編集にも興味があると伝えたら、2つ目のインターン先を紹介してくれたんです。だから、“繋がり”という意味では目的達成かな」