さんまも驚き。“元女性”の男芸人26歳に聞く半生は「恵まれすぎてるな」
2018年11月、「踊る!さんま御殿!!」(日本テレビ系)に出演し、人気芸能人の仲間入りを果たした若手お笑い芸人コンビ・ペッパーボーイズ。
バラエティ番組に出演して間もなくは、ボケ担当・石本しょーきさん(26)の天然&ポンコツっぷりで注目を浴びたが、徐々にツッコミ担当・前田かずのしんさん(26)の“元女性”という個性にもスポットが当たり始めている。
心身だけでなく、2019年1月には正式に戸籍も男性となった前田さん。一体その半生とはどのようなものだったのだろうか――。LGBT芸人の前田さん本人に直接インタビューを敢行した。
明石家さんまも驚く「下はどうなってんねん!?」
――「さんま御殿」は初のゴールデンタイムでしたが、売れて来た実感はありますか?
前田かずのしん(以下、前田):ほぼないですね(笑)。ただ、ツイッターとかインスタでLGBTの方たちからフォローされたりDMが来たりって反響はめちゃめちゃありました。
――前田さんが番組で性別適合手術(リノベーション)を告白した影響でしょうね。
前田:自分と同じ境遇の人から「頑張っていて励みになります」って声もありつつ、逆に「あんまり目立って欲しくない」って意見のどっちもありました。芸人としてより、“元女性”ってインパクトの方が強かったみたいです。
――実際の収録現場はどんな空気だったのでしょうか?
前田:事前にスタッフさんから「(明石家)さんまさんとか共演者の方たちにトランスジェンダーのことは伝えているので好きなように話してください」と聞いていたので、気持ちとしては安心して収録に臨めましたね。
――さんまさんとのやり取りで印象的だった言葉はありますか?
前田:オンエアではカットになってましたが「下はどうなってんねん!?」と言われたので、リノベーション繋がりで「まだ車庫はあります!」って返しました(笑)。子供の頃から見てた大先輩にイジられて嬉しかったですね。
最初に“女性が好き”だと感じたのは?
――前田さんが最初に“トランスジェンダー”を意識し始めたのはいつ頃ですか?
前田:僕の記憶にはないんですけど、親の話だと3歳くらいから様子がおかしかったみたいです(笑)。髪は短くて仮面ライダーの服着て、ズボン履いてみたいな。だから、自我が芽生えてから徐々にって感じだと思います。
――まさに“物心つく頃”には男の子の心を持っていたんですね。
前田:夏は水着も男の子の海水パンツ姿でした。保育園の時にキャンプに行った写真が残ってるんですけど、水着に着替える時に男の子の“あそこ”をガン見してたっていう(笑)。「何でこの子にはあって自分にはないんだ?」ってずっと疑問に思ってましたね。
――最初に“女性が好き”だと感じたのは?
前田:小学校4年生くらいの頃に幼馴染みの女の子から「カズ(前田さん)が男の子だったら良かったのにな」って言われた時があって。「嬉しいけど何だろう」って複雑な気持ちになったのが最初だと思います。
本気で好きな女の子が出来たのは中学1年生ですね。その子とは初めてキスもして。ただ、お互いに両想いだろうことは分かっていても女同士だしと思って、さすがに最後まではいかなかったし、その時は「同性愛なのかもな」くらいの感覚でした。