大森南朋&貫地谷しほりが語る「苦労した下積み時代の思い出」
「からたちの花」「この道」などを生んだ詩人・北原白秋と音楽家・山田耕筰の絆を見つめた『この道』が公開中です。
『半落ち』の佐々部清監督のもと、子どものように無邪気な北原白秋を大森南朋さん(46)が、堅物の山田耕筰をAKIRAさん(37)が演じています。
白秋役の大森南朋さんと、白秋を支えた妻・菊子役の貫地谷しほりさん(33)に取材。お互いの印象や作品の魅力に始まり、2人が役者としてうまくいかないと感じていた時期のことなども聞きました。
やんちゃな白秋は大森南朋と重なる?
――本編の北原白秋は、教科書に載っている偉人といったイメージとは異なる人物です。佐々部監督は、「やんちゃそうで色気のあるところが大森さんにぴったりじゃないか」とオファーされたと聞きました。
大森南朋(以下、大森):脚本がこうした内容でしたので、無邪気にやれればいいなと思いました。僕自身にどうしてそういう印象を持たれたのかは分かりません(笑)。でもこういう役もいただけるというのは有難いなと思います。
――実際にご自身と通じる部分はありましたか?
大森:どうでしょう。女の人にだらしないと言わせたいのかな(笑)? でも、僕自身はそんなことはないです。白秋さんは魅力的な人物だと思いました。
――貫地谷さんは大森さんの演じられた白秋をどう感じましたか?
貫地谷しほり(以下、貫地谷):最初、本番前のテストのときに大森さんの演技を見てふざけてるのかなと思っちゃいました(笑)。だんだんやっていくうちに、本当に可愛らしい人だなと思うようになって。母性ってこういう感情なのかなと思いました。
大森:ふざけてると映りました?
貫地谷:最初は。(一同笑い)可愛らしいなと思いながら、楽しくやらせていただきました。
現場ではずっとゲラゲラ笑っていた
――大森さんは色っぽさもある俳優さんですが、そのあたりについては。
貫地谷:色っぽさ? あったかな? 色っぽさ??
大森:無理しないで(笑)。
貫地谷:可愛らしいという印象のほうが強かったですね。白秋さんを演じられる以前の大森さんに色っぽいイメージを持っていました。これまでにも同じ作品には出させていただく機会がありましたが、がっつりお芝居をするのは今回が初めてですよね。
これまでの役柄は結構お堅い感じで、そこからムンムンと匂い立つ色気みたいなものを、画面を見ながら感じていましたが、今回はとても無邪気で可愛らしかったので。あ、ただ出来上がった作品を拝見すると、やっぱり大森南朋さんという役者さんは色っぽいなと感じました。画面を通すと感じますね。
――今回の可愛らしさというのは、役作りですか? それとも大森さんご自身から湧き出たもの?
大森:そうですと自分で言ったらおかしくないですか?(一同笑い)でも、46歳にもなって可愛いと言っていただけるのは有難い話です。
貫地谷:大先輩にすみません(笑)。